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2023.10.19

介護業界における社会福祉士とケアマネジャーの違いと関係性

介護業界には介護福祉士などの直接介護を行うスタッフの他に、相談対応中心の業務を行う職種があります。介護保険サービスの利用の相談窓口になる代表的な職種は、社会福祉士とケアマネジャーです。ここでは、介護業界における社会福祉士とケアマネジャーの資格や業務の違いと、両者の関係性について解説します。

社会福祉士は福祉専門の相談のプロフェッショナル

社会福祉士は、介護を含む福祉全般において、相談のプロフェッショナルとして重要な役割を担っています。つまり、高齢者だけでなく、障がい者や一人親家庭、経済的困窮者など、一般的に「福祉」に含まれる分野で、相談に対応して援助や関係機関の連絡調整を行うのが社会福祉士の仕事です。福祉サービスを必要とする人々のニーズを把握し、最適なサポートを選んで提供します。
社会福祉士は、名称独占の国家資格であり、資格のない人は社会福祉士を名乗れません。相談対応では、困りごとを包括的にアセスメントし、適切な支援策や制度を提案したり、専門的な窓口と連絡調整をしたりして問題の解決を図ります。介護保険や障害福祉サービスなどの公的制度だけでなく、地域の福祉資源やインフォーマルサービスにも精通しており、制度の枠を超えて解決策を考えることが特徴です。また、社会福祉士は、格差や差別、虐待などといった社会的な問題にも取り組む場合があります。

ケアマネジャーはケアプランを作成できる唯一の介護職の資格

ケアマネジャーの正式名称は「介護支援専門員」で、介護保険におけるケアプランを作成するための資格です。ケアマネジャーは、介護保険サービスの仕組みやサービスの種類、介護保険事業所などに精通しているのが特徴で、この資格は都道府県が認定する公的資格であるため、5年ごとに必要な研修を受けて更新しないと失効してしまいます。
ケアマネジャーの仕事は、利用者の状況や希望する生活、家族の状況に合わせたサービス内容やケアのスケジュール、予算などを考慮して、個々の利用者に適したケアプランを作成することです。また、定期的にケアプランの見直しを行い、利用者やその家族と密接にコミュニケーションを図ります。ケアプランに含まれる介護サービス提供者とも連携し、利用者のケアを円滑に進めるためのサポートを行うのが一般的です。
さらに、ケアマネジャーは、介護保険サービス事業所で適切な介護が提供されているかを確認する役割も担っており、利用者の状況やニーズに適したサービスが提供されるように努めることで、利用者の生活の質を向上させることが求められます。ケアマネジャーは、介護の専門家として、利用者や家族のサポートに貢献する重要な職種です。

役割は異なるが同じ介護職として業務上関わる機会は多い

介護業界において、社会福祉士とケアマネジャーが担う役割は異なりますが、いずれも相談や調整、援助を行う業務ですので、お互いに関わる機会が多い職種です。社会福祉士の資格を持っており、さらに、介護保険のケアプランを作成するためにケアマネジャーの資格を取得する人も少なくありません。社会福祉士とケアマネジャーの連携と協力により、総合的な支援の提供が可能です。
介護保険制度の相談窓口である地域包括支援センターには、経験を積んだケアマネジャーである主任ケアマネジャーと、社会福祉士、保健師(看護師)の3職種が配置される必要があります。高齢者や高齢化した地域の包括的な支援のためには、社会福祉士とケアマネジャーの両方が必要不可欠です。
担う役割は異なっていても、社会福祉士とケアマネジャーは業務上関わる機会が多く、連携や協力を求められる職種であり、両者が連携することで、利用者のニーズに適した総合的なサポートを提供できるようになります。

今回のまとめ

介護業界において、相談業務や連携調整を行う社会福祉士とケアマネジャーは、それぞれが異なる専門的な役割を担いつつ協力し合う職種です。社会福祉士は福祉全般を網羅しており、ケアマネジャーは介護保険制度に精通しています。高齢者や高齢化した地域の包括的な支援のためには、社会福祉士とケアマネジャーの両方の専門性が必要です。