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2023.11.08

特別養護老人ホーム(特養)の仕事内容とは?他の介護職との違い

介護施設は多岐にわたり、様々な施設やサービスが存在します。特別養護老人ホーム(以下、特養)はどのような特色があり、仕事内容は他の介護職と比べてどのような点が異なるのでしょうか。
ここでは、特養での転職・就職を考えている方に向けて、特養の仕事の概要を紹介します。

特養では他の介護職に比べて身体介護や食事介助が多い

特養は、介護が必要な高齢者が居住する施設です。介護保険法の「介護老人福祉施設」や「地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護」の指定を受けて、介護サービスを提供しています。原則として要介護度3以上の中重度の方が対象で、終身にわたって介護が受けられるのが特徴です。
特養で働く介護職は、24時間365日体制でシフトを組み、入居者の日常生活を支えています。具体的には入浴や排泄の補助、着脱介助、おむつ交換、ベッドや車いすからの移乗介助、移動のサポートなど、身体介護にかかわる業務が中心です。
食事介助も重要な業務の一つです。嚥下が難しい高齢者も多く入居しているため、食事の際は注意深くサポートを行う必要があります。食事介助において、一般的な有料老人ホームやデイサービスと比較すると、より専門的な知識や技術が求められる場面が多いと言えるでしょう。

入居者の健康管理と嘱託医への報告は必須

特養の入居者は要介護度3以上の高齢者で、多くが何らかの疾患を抱えています。そのため、介護職は入居者の様子を毎日確認して嘱託医へ報告しなければなりません。食事の摂取量の確認、血圧や体温の定期的な測定は介護職が日ごろから行う業務で、着脱介助時には、床ずれのチェックも行います。
体調の変化や急な症状が現れた場合、介護職が必要な情報を入手した上で、嘱託医や看護師に状況を連絡し、治療が必要なのか、様子を見ていて良いのか判断してもらいます。介護老人保健施設のような手厚い医療ケアは特養では期待できません。そのため、看護師は入居者の苦痛が最小限となるよう、介護職と連携しながら医療ケアを行っています。

レクリエーションや家族とのコミュニケーションも重要な仕事

特養では、入居者が寝たきりにならないよう、身体機能を維持・回復させる取り組みも行っています。中でも、楽しみながら過ごせるようにレクリエーション活動の企画や実施は介護職の大切な業務です。それぞれの関心や好みを尊重したプログラムを提供するだけでなく、季節感を味わってもらうために皆で楽しめるイベントも企画します。例えば、夏祭りで盆踊りを踊ったり、クリスマスやハロウィンで仮装したりするなど、趣向を凝らした企画は喜ばれるでしょう。
さらに、家族とのコミュニケーションも大切です。入居者の毎日の様子や健康状態を報告し、家族の意向や要望を聞くことで、より良いケアを提供していくことができます。特養は入居者にとって「終の棲家」で看取り対応も行っているため、家族との信頼関係を築くことも特養の介護職にとって非常に重要です。

今回のまとめ

特別養護老人ホームは、他の介護施設やサービスと比べて、身体介護が中心となる場面が多く、食事介助も注意深く対応している特徴があります。個々の好みを尊重したレクリエーションの企画、季節感を大切にしたイベントなども介護職の重要な業務です。特養での仕事は、多岐にわたるスキルを習得できる絶好の機会となるでしょう。