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2023.11.09

データを残すための介護記録はどう書けばいい?書き方のポイント

介護記録の作成と保存は、介護保険法において義務付けられているため、介護職になると必ず書かなければなりません。利用者の健康や生活の質を維持・向上させるために極めて重要な記録であり、適切に記録することで後任のスタッフや医療関係者との連携もスムーズに行えます。
ここでは、介護職の記録の書き方のポイントを紹介しますので、書くのが苦手という方はぜひ参考にしてください。

介護職の介護記録は起承転結が大事

介護記録の書き方や体裁には決まりがなく、施設や事業所によってパソコンやタブレット端末を使うこともあれば、手書きのところもあります。介護記録を作成するにあたり、起承転結を意識して書きましょう。
起では、その日の利用者の状態や特に留意すべき事柄を記載します。利用者からの要望などがあれば内容などを詳しく書き表してください。
承では、日中の利用者の様子や、どのような介護を施したのかを記します。要望に対して、どのように対処したのか、その理由などを表す内容です。
転は、文字通り様子の変化です。利用者の急な体調の変化や介護中のトラブル、ヒヤリハットなどを記載します。ちょっとした様子の変化も見逃さないようにしなければなりません。
結は、その日の締めくくりとして、夜の様子や翌日への引き継ぎポイントを書きます。
起承転結の構造を意識することで、記録が読みやすく、情報の抜け落ちを防ぐことが可能です。

書き方を丁寧にすることで自身のスキルアップにつながる

介護記録は単なる日常の記録ではなく、介護のプロフェッショナルとしてのスキルや観察力を示す記録です。具体的かつ客観的に記述することで、自身の成長や学びの記録にもなります。
さらに、日々の記録を積み重ねることで、利用者の変化や症状の進行だけでなく、介護ケアの成果や改善点を「見える化」することも可能です。
介護記録に書くべき事柄は、現場でメモに残しておくクセを付けておくと便利です。エプロンのポケットにメモ帳を入れ、何かあったら時刻と内容をメモします。「15時おやつ残す」など簡潔に記しましょう。後で見返して思い出すことが目的なので、走り書きでも構いません。メモを見返せば状況を思い出せるようにしておくと、介護記録をスムーズに書けるようになります。メモを残すことは、介護記録の正確性を担保することに繋がるため、積極的に利用してください。

介護記録に介護職の専門用語を使ってはいけない理由

介護記録では専門用語を使ってはいけないことになっています。専門用語は、同じ職種同士のコミュニケーションを効率化するための言葉です。しかし、記録は他職種の医療関係者、利用者の家族にも共有されることが多いことから、専門用語が多用されていると、内容が正確に伝わらないリスクがあります。「徘徊」は「往復」、「浮腫(ふしゅ)」は「むくみ」にするなど、分かりやすい表現で記載するように心がけてください。
専門用語を使わずに具体的かつ平易な言葉で記述することで、自身の観察力や表現力が磨かれ、より的確な情報伝達が可能です。

今回のまとめ

介護記録は、介護職の重要な役割の一つです。適切な書き方を身に着けることで、利用者に対して最適なサポートを実現でき、自身の成長やスキルアップに繋げることができます。介護職への転職・就職を検討している方は、介護記録の重要性と書き方のポイントをしっかりと理解して、実際の職場で役立ててください。