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2023.11.14

介護現場における口腔ケアの手順と押さえておきたいポイント

介護現場において、口腔ケアは高齢者の健康維持のために重要な行為です。口の中の清潔を保つことで、口臭や病気の予防、食べたり話したりする機を維持することができ、生活の質(QOL)を高めるのに役立ちます。
ここでは、介護現場における口腔ケアの手順と押さえておきたいポイントを紹介します。

ブラッシングは小刻みにひとつひとつ丁寧に行う

まず、ぶくぶくうがいをします。「ぶくぶくうがい」とは、口の中に水を含み、左右の頬を膨らませて、しっかり動かしながらぶくぶく音を立てるようにうがいをする方法です。
うがいの後、ペンを持つように歯ブラシを持ち、歯の表面を小刻みにブラッシングします。歯と歯茎の境目に歯ブラシの毛先をそっと当て、小刻みに動かし、1~2本ずつ丁寧に磨きます。歯の裏側、歯と歯の間も忘れずにブラッシングするようにしてください。
歯ブラシの毛先が磨きたい位置にしっかり当たっているかを確認しましょう。入れ歯のバネをかける歯は特に汚れやすいため、丁寧に磨くよう声掛けをします。
できるだけ、高齢者に自力で行ってもらうのがポイントです。ひじを挙げている状態がつらい場合は、その部分だけ支え、手首がうまく回らない場合は電動歯ブラシの利用を促します。できない動作だけをサポートし、よく磨けている場合は「上手にできていますね」と声掛けを行いましょう。
入れ歯は毎食後、はずしてすすぎます。食べかすなどをさっとすすぎ、流水にあてながら入れ歯専用ブラシでブラッシングしてください。時間があれば、入れ歯洗浄剤に付け置きをするようにしてください。口の中がさっぱりすると好評です。

口腔ケアで舌の清掃も一緒に行うと口臭予防につながる

舌の表面が汚れていると細菌が発生しやすくなり、口臭の原因になります。舌専用のブラシもしくは歯ブラシの裏側を使って、舌の表面を前から後ろへブラッシングしてください。
舌の表面にこびりついた舌苔(ぜったい)は、食べかすや細菌が集まってできたものです。なかなか取れないこともあるため、一気に落とそうとはせずに、根気よく継続してきれいにしていきましょう。舌の清掃は、こすりすぎると舌がヒリヒリすることもあるため、力加減も考慮しながら、無理のない範囲で行います。

歯ブラシが使えない時は介護向けのスポンジやガーゼで清拭する

障害を持つ方など、歯ブラシを使うことが困難な場合があります。そのような場合は、介護向けのスポンジやガーゼを使うことで、お口の中を清潔に保つことが可能です。
まず、スポンジやガーゼを水で湿らせます。スポンジやガーゼを持っている反対側の手で、唇を広げて視野を確保しながら、頬の内側、唇の内側、歯茎、上あご、舌などの汚れを優しく清拭し、汚れや食べカスを取り除いてください。必要に応じて、口腔ケア用の液体を使うとさらに清潔になります。

今回のまとめ

介護現場における口腔ケアは、「食べる」「話す」といった行為や生活の質の向上に直結するだけに非常に重要です。口腔ケアはできるだけ自力で行ってもらい、できない動作だけサポートするのがポイントと言えるでしょう。歯のブラッシングや舌の清掃などを毎食後行い、利用者が健康なお口を保てるようにしてください。