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2023.11.20

介護職なら知っておくべきバイタルチェックの基本について

介護現場でのバイタルチェックは、高齢者の健康状態を的確に把握する上で非常に重要です。異変を早期に発見できるため、ほとんどの施設では1日に1回以上定期的に行っています。
ここでは、介護職なら知っておくべきバイタルチェックの基本について紹介します。異常値が出たときの対処方法も解説しますので、ぜひ参考にしてください。

バイタルチェックの重要性について

「バイタル」とは、「バイタルサイン(vital sign)」の略語で、バイタルチェックとは日本語で「生命の兆候」という意味です。介護現場でのバイタルは、心拍数(脈拍)や血圧、呼吸数、体温などの数値を指し、体温計や血圧計などの機器を用いて、4つの数値を計測する行為をバイタルチェックと呼びます。
介護職がバイタルチェックを定期的に行うことで、高齢者の体調の変化を早期に発見し、早期治療に繋げることが可能です。また、医療行為が必要な状態かを判断する際の基準としても役立ちます。
測定値を継続的に記録することは、介護計画やケアの方針の見直しに利用できます。さらに、数週間から数年間にわたる数値の推移は、薬の量を見直したり、運動量を増やしたりする際の参考情報となるでしょう。

バイタルチェックの基準値は把握しておく

脈拍や血圧、呼吸数、体温の4つのバイタルには、それぞれ一般的な基準値があります。
厚労省によると、健康な成人の安静時の脈拍は1分間で約60~100回としていますが、高齢者の脈拍は、健康な成人と比べるとやや少なく1分間で50〜70回とされています。この基準値より多ければ「頻脈」と呼ばれ、発熱や貧血、心不全などの可能性が否定できません。逆に少ない場合は「徐脈」といい、内服薬や貼付剤などの薬が効きすぎていることが考えられます。
高齢者の血圧の基準値は、最大110~130、最低60~90とする施設が一般的です。数値が高ければ脳卒中や心臓病のリスクが高まります。呼吸数は1分あたり12~20回、体温は、36.5°Cですが、個人によって異なります。個人ごとの平熱を基に体調の判断を行うようにしてください。

バイタルチェックで異常値が出たときの注意点と対応方法

バイタルチェックで異常値が出た場合、まずは測定方法が間違っていないか確認しなければなりません。正しく測定し直した上で、それでも異常値が出たときは、上司や看護師に状況を報告し、適切な指示を受けるようにします。
高熱や呼吸困難などの症状がある場合は緊急性が高いため、応援を呼び、ただちに看護師に報告します。
異常値を発見した場合、パニックにならずに冷静に情報を収集し、適切な対応を取ることが大切です。バイタルチェックは医療行為ではないため、介護職員でも行えますが、測定結果から診断を下す行為は医療行為にあたるため、行うことができません。介護職員は自分で判断したりせずに、上司や周りのスタッフ、看護師などと情報を共有し、指示に従って対応するようにしてください。

今回のまとめ

バイタルチェックは、脈拍や血圧、呼吸数、体温などの数値を、機器を用いて計測する行為です。介護職員は、バイタルチェックの重要性を理解した上で、正確な測定と適切な対応を心がけることが求められています。それぞれの基準値を把握し、毎日数値を記録することで、高齢者のちょっとした変化に気付けるようになるでしょう。