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2023.12.01
介護士の残業時間とは?残業の原因や効果的な残業対策とは?
慢性的な人手不足と言われている介護業界ですが、介護職や介護福祉士の残業時間が気になります。ここでは、全労連が2019年にまとめた「介護労働実態調査報告書」、介護労働安定センターが2023年8月21日に公表した「令和4年度介護労働実態調査」を参考に、介護職・介護福祉士の残業時間や原因などを紹介します。
平均的な介護職員の残業時間とは?
「令和4年度介護労働実態調査」によると、介護職・介護福祉士の1週間の平均残業時間は1.7時間で、月ベース(4週間)では平均6.8時間の残業をしている結果となりました。就業形態別でみると、正社員は1.9時間、パートで1.2時間となっています。人手不足の介護業界だけに、もっと長時間残業しているイメージがあったのですが、案外短いと思われた方も多いかもしれません。
施設形態別の1週間の平均残業時間をみると、デイサービスで2.0時間、介護老人保健施設と特別養護老人ホームで1.8時間、訪問介護で1.6時間となっています。いずれの施設も1週間の平均残業時間は2時間以下です。介護現場はシフト勤務で業務を引き継ぐことができるため、残業がそれほど長引くことがないようです。
しかし、もう1つの統計を見ると、ある事実が浮き彫りになりました。全労連の「介護労働実態調査報告書」によると、4人に1人がサービス残業を行っていることが明らかになっています。40%超の方が請求できる雰囲気にないと答え、約71%が請求していません。介護施設や事業所によっては、サービス残業が当たり前という空気が流れていて、定時に帰りにくい雰囲気があるようです。
介護職員の勤務時間は不規則になりがち
介護現場では24時間365日のサポートが必要となるため、介護職や介護福祉士の勤務は不規則になりがちです。主な原因として、急な欠勤と業務の多様性が挙げられます。
チームでシフトを組んで働いている職場で、チーム内に急な体調不良などで欠勤者が出た場合、他のメンバーが代わりに勤務することになります。1人欠けた状態で働くこともありますが、その分一人当たりの仕事量が増えてしまい残業に繋がるのです。
介護職や介護福祉士の業務は多岐にわたり、日常のケア、レクリエーション、家族への報告、介護記録の記入、ミーティングなどがあります。この多様な業務内容が予想以上の時間を費やすことになり、気付くと勤務時間が過ぎていたということもあるようです。
介護職員の時間外労働を減らすための対策法とは?
介護現場での時間外労働を減少させるための対策として、以下の方法が考えられます。
まず考えられる基本的な対策は、介護職の人数を確保することです。新規採用やアルバイト、パートの導入などで業務の負担を減らすことが可能となります。
次に、シフトの組み方を工夫することです。急な欠勤に対応できるように予備人員を確保しておく、シフトを組む前にチームでミーティングを開いて希望や制約を共有する、シフト作成を助けるソフトウェアやアプリを活用する、などといった対策方法があります。
今回のまとめ
統計によると、介護職・介護福祉士の1週間の平均残業時間は1.6時間で、月ベースでは平均6.4時間でした。4人に1人がサービス残業を行い、多くの人が請求を諦めています。時間外労働を減らす対策として、シフトを組む際に予備人員を確保することなどが考えられるでしょう。シフト作成のアプリを活用するのも有効です。サービス残業は違法行為です。悩んでいる方は上司に相談してください。