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2023.12.04
着脱介助の手順とコツは?介護職がスムーズに対応するためのポイント
着脱介助とは着替えの手伝いのことで、利用者が安全かつ快適に生活するためにも、着替えをスムーズに行うことは不可欠です。介護職として働く際に必ずマスターしなければならない業務ですが、苦手としている人も少なくありません。
ここでは、着脱介助の基礎知識として、準備品や手順、注意点について紹介します。寝たきりの方への着脱介助のコツを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
介護職なら知っておきたい着脱介助の手順
寝たきりの方の着脱介助をベッド上で行う前に、必ず声掛けを行い、意向を確認します。着替えを行う際、自身の足は肩幅ぐらいに開き、背筋を伸ばした状態を保ちながら、ゆっくりと動作を行いましょう。
上着の介助の場合、衣類のボタンを外し、体を横向き(側臥位)にして、上になっている肩の衣服を外してから腕を脱がします。着替え用の服を、上になっている腕に通し、肩と背中にまで通してください。次に、仰向け(仰臥位)になり、汚れた服を反対の腕から外した後、着替え用の服を反対の腕に通します。
ズボンの介助の場合、横向きにしてお尻の下までズボンを下ろした後、仰向けでズボンを交互にずらしながら脱がします。そのまま着替え用のズボンを足先に通し、太ももまで左右交互に動かしながらズボンを上げてください。次に、横向きにして、片側のお尻までズボンを上げ、反対側に身体を横向きにしてお尻までズボンを上げます。
スムーズに対応するためのコツ
スムーズに対応するコツは、「脱ぐときは健側(けんそく)から、着る時は患側(かんそく)から」です。着脱介助が必要な方の多くは、身体が麻痺していたり、関節が拘縮(こうしゅく)して痛みを伴ったりしています。不自由な側を「患側」、問題ない側を「健側」と呼ぶのが一般的です。例えば、右の手に麻痺がある場合、左側が健側で、麻痺している右側が患側となります。
麻痺や関節の拘縮がある場合、痛みがある手足を持ったり引っ張ったりして介助すると関節などを痛めてしまう可能性があります。介助を行う際はひじや手首の関節を支えるように動かしてください。利用者のわずかな動きや表情を見逃さないよう、常に観察しながら動作はゆっくりと行います。
プライバシー保護に努めることも大切です。着替えを行う際は必ずカーテンを閉めましょう。
着脱介助前に準備しておきたいこと
着脱介助を行う前に、介助に必要なものを事前に確認し、すぐに取り出せる場所に保管しておきます。準備できていないと利用者を待たせてしまうことになり、身体が冷えてしまうかもしれません。準備する物は以下の通りです。
・着脱しやすく、袖が広い衣服
・下着や靴下
・タオルケットもしくはブランケット
・塗り薬や貼り薬
タオルケットやブランケットは着替えをする時、身体の露出を減らすために使います。着脱介助のときは、必ず利用者の皮膚の状態をチェックするように心がけてください。高齢の方の皮膚は弱く、肌トラブルを起こしやすいため、背中やお尻に褥瘡ができていないかなども確認する必要があります。塗り薬や貼り薬も着替えをするときに交換できるようにしておくと良いでしょう。
今回のまとめ
着脱介助は介護の基本中の基本で、避けられない業務の一つです。基本をしっかりと身につけることで、利用者に安心と安全を提供できます。常に学び続け、細やかに気配りすることで、より質の高いサービスを提供することが可能です。着脱介助のコツを習得して、今後のキャリアにぜひ活かしてください。