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2023.12.06

介護の足浴の目的と手順や注意事項を知り安全確保に努めよう

足浴は介護の現場でよく行われていて、衛生面だけではなくその有効性も高く評価されているものです。衣類を着たまま行えるので入浴よりも手軽ですが、安全性を確保して十分に注意を払って行わなければなりません。
ここでは、足浴の重要性やメリット、手順、注意事項について詳しく解説します。

介護における足浴の重要性と利点

足浴は、浴室ではなく室内で衣服を着たまま行える部分浴です。手軽に足を清潔に保てる入浴法として介護の現場で取り入れられています。足浴には、足の疲れを和らげリラックスするため眠りに入りやすくなる、足の血行を良くすることで全身の血流を促進するなど、その他にもメリットが少なくありません。
全身浴に比べると心臓への負担が少ないため、体力のない人や高齢の人、高血圧の人にも適している入浴法です。
また、足浴によって足のむくみが改善したり倦怠感や痛み、嘔気などの症状を和らげたりする効果があることも分かっています。

足浴を通じたコミュニケーションの重要性とその手順

足湯をするときには、足を入れる大きめの洗面器とかけ湯のための小さめの洗面器、ビニールシートやゴミ袋など防水用のシート、石けん、バスタオルを揃えましょう。石けんは固形よりも泡タイプのものの方が刺激やかぶれが少ないためおすすめです。
また、足浴を介助するスタッフは、感染予防のためにマスクと手袋を用意してください。必要であれば爪切りや保湿クリームなどもあると良いでしょう。
足浴は仰向けまたは座位で行います。お湯の温度は39~42度くらいが適温ですが、外気温や季節に合わせて調整してください。必ず自分の手で温度を確かめましょう。足浴に必要なものをセットしたら、利用者の衣類の裾を膝下くらいまで上げます。
片足ずつお湯から上げて、足の指まで石けんで洗いましょう。最後は洗面器から足を出し、タオルで拭いて終了です。
足浴をするときには、声がけをしたりマッサージをしたりしてコミュニケーションを図ることが大切です。よりリラックスを促進するだけではなく、信頼関係を深めることができます。

利用者の安全性を確保するためのポイント

利用者の安全性を確保するために、足浴をする際はまず医師や看護師に実施が可能か確認してください。足浴は15分程度が目安です。あまり長すぎると利用者の体力を消耗し、体が冷えてしまいます。
足浴中は、ブランケットや羽織るものを用意して露出している足以外を温めるようにしてください。お湯の温度は、手と足では感じ方が異なります。必ずお湯に足をつけるときに、熱すぎないかまたは、ぬるすぎないか声をかけましょう。
また、食後すぐの足浴は避けてください。足浴によって血液が皮膚の表面に集まるため消化不良を起こす場合があります。
さらに、足浴をする際には、水虫や白癬などの感染症がないか、皮膚の色や乾燥、爪の状態などを確認しましょう。必要であれば専門医を受診してください。
足湯は手軽ですが、利用者の様子を観察しながら十分に注意を払って行うことが大切です。

今回のまとめ

介護の現場でよく行われる足浴は、全身浴よりも手軽で心臓に負担をかけずに足を清潔にし、全身の血行を良くできる入浴法です。リラックス効果もあるため睡眠導入にも役立ちます。足浴の介助をする場合は、お湯の温度に気をつけて、体を冷やさないよう行ってください。マッサージや声がけをするとコミュニケーションが取れて信頼関係も深まります。