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2023.12.13

介護の現場における介護事故防止対策を行う上で重要視したい優先順位

介護現場では常に事故のリスクがあり、転倒や転落、誤嚥や誤薬事故は利用者にけがを負わせるだけでなく、生活を大きく変えてしまう可能性もあります。介護職員は事故を防止するために様々な対策をしなければなりません。
ここでは、介護現場での事故防止対策の優先順位について解説します。

介護事故防止に関する基本的な考え方とリスクマネジメント

介護現場における事故は100%、絶対に防げるものではありません。介護職員はできる限り100%防ぐことができるよう配慮や支援を行うことが必要です。発生する事故の危険性を知り、防げる事故を防げるよう管理する、または被害を最小限に留める取り組みが介護現場におけるリスクマネジメントと言えるでしょう。
リスクマネジメントの目的を3つご紹介します。

ご利用者の安全を確保するため

ご利用者が安全に安心して生活ができるように、ご利用者の身体・精神状況を踏まえ周辺環境を整える必要があります。ご利用者を観察しリスクを察知していかなければいけません。

職員を守るため

リスクマネジメントはご利用者だけではなく介護職員を守ることにもつながります。目の前で事故が発生すると、「あの時こうしておけばよかった」と職員は精神的なダメージを受けてしまいます。さらに、起立介助時にご利用者と一緒に倒れてしまう等、職員自身もけがをする危険性もあります。介護職員を守るためにもリスクマネジメントにおいて重要です。

サービスの質を高めるため

リスクマネジメントは介護サービスの質を高める効果もあります。利用者が安全に安心して生活できることで、効率良く業務が進み施設全体の評価に繋がるでしょう。

介護現場でとるべき介護事故防止対策の優先順位とは?

介護事故防止対策を行うためには、以下の方法で進めていくと効果的です。

事故の仕分けをする

実際に発生した事故を確認し、やるべき対策をしなかったために起きた事故なのか、不可抗力で起きた事故なのかを分類しましょう。職員のミスやルール違反、環境を整備していない状態ならば優先して対策を講じなければなりません。

事故を多角的な視点で精査する

事故が起きた原因は1つとは限りません。大きく3つの視点で事故を精査しましょう。多角的視点から事故防止対策を考えると、発生率を下げることも可能です。

利用者:身体や精神状態の確認など
介護職員:介護技術や知識、報告体制の確認など
周辺環境:福祉用具の安全確認や居室・共用部の配置など

介護事故防止対策の具体案

事故防止対策案を考える上で、よくある具体的な対策案を3つご紹介します。

見守り強化だけで良いか?

転倒リスクの高い利用者への対策案として、見守り強化がよく挙がります。しかし、職員の努力や気合に左右される対策では、時間の経過とともに集中が切れ同じ事故を繰り返してしまいかねません。さらに、利用者が少し身体を動かしただけで職員が近づくといった過度な管理になる可能性もあります。立ち上がった時にすぐ掴まれる環境の整備など物的な対策案を考えてみましょう。

職員個人の問題か?

職員個人のミスやルール違反により事故が発生するケースもあります。その場合、事故を起こした個人の注意力や努力だけの対策だけでは不十分です。研修の実施やルールの再確認・再周知など、チーム全体で再発防止に取り組みましょう。

ご家族への説明は必要か?

介護職員は事故発生直後にだけご家族に連絡を行えば良いわけではありません。あらかじめ利用者の状況や事故リスク、リスクに対する防止対策の説明を行う必要があります。ご家族と細かく情報共有することで、事故発生後の訴訟リスクも軽減します。

今回のまとめ

1つの重大な事故でご利用者の生活は大きく変わってしまいます。事故発生を少しでも減らすこと、減らせるように対策を行うことは介護職員の重要な役割です。ご紹介した優先順位を参考に原因や課題を把握し、現場の実情に合った効果的な事故対策を考えてみましょう。

個人技術のスキルアップなら、資格取得が最も近道。

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