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2023.07.31

介護職の賃上げ政策で給料は上がった?賃上げは今後もある?

介護職については、「賃金が安い仕事」というイメージが拭いきれていないかもしれません。しかし、実際は待遇が改善傾向にあり、国も介護職の待遇改善のための施策を打ち出しています。その一つが「介護職員処遇改善支援補助金」です。
ここでは、2022年2月から9月まで実施された介護職員処遇改善支援補助金の内容と、本施策の期間が終わる2022年10月以降の見通しについて解説します。

2022年2月から始まった「介護職員処遇改善支援補助金」制度とは

介護職員処遇改善支援補助金とは、介護職員の収入を3%程度(月額9,000円)引き上げるための措置として、賃上げに取り組む事業所を対象に経費を支給する施策です。対象期間は2022年2月から9月でしたが、期間が終了しても継続して賃上げした状態を維持することが求められています。
この補助金を受給するためには、ただ介護職の事業所というだけでは不十分です。キャリアパス制度(役職に就くための勤続年数や経験、資格などを明らかにして道筋を示す制度)を整えたうえで、処遇改善計画を提出するなどの要件を満たした事業所が申請することで受給できます。
介護職員処遇改善支援補助金を受給した事業所は、前述の通りキャリアパス制度が整っているなど、賃金アップ以外の部分においても働きやすくモチベーションも維持しやすい環境であると考えられます。

本当に9000円もらえた?もらえなかった理由は?

勤務している事業所が介護職員処遇改善支援補助金の対象になった場合、必ず賃金アップが行われたはずです。支給された補助金は全額、賃金改善に使うことが約束されていますが、アップした賃金が9,000円に満たなかったケースもあります。
その理由は、支給された9,000円全てを月給アップに使うのではなく賞与に回したり、介護職従事者以外の従業員の賃金アップにも使ったりするなど、給付金をどう分配するかはある程度事業所に自由な裁量が許されているからです。介護従事者以外の職員も、事業所の貴重な戦力であり仕事仲間。事業所が介護職従事者以外にも充当するという判断をしたなら、尊重するべきでしょう。

2022年10月以降の賃上げはどうなった?

介護職員処遇改善支援補助金の対象期間は2022年9月までですが、10月になったとたんに賃金が戻るということはありません。前述の通り、対象期間を過ぎても処遇改善の状態を維持し続けることが、補助金を受給する要件となっているためです。
また、2022年10月には「介護職員等ベースアップ等支援加算」が創設されました。介護職員処遇改善支援補助金と類似した要件で取得可能で、事業所はこの加算を従業員の処遇改善に使うことが求められます。賃上げされた状態は今後も維持され、さらなる処遇アップについても検討されていると考えて良いでしょう。

今回のまとめ

介護職員処遇改善支援補助金は介護従事者の賃金等を改善するための補助金であり、2022年2月から9月を対象期間として給付されました。しかし、介護職の処遇改善が一時的なものにならないよう国や都道府県、事業所が施策を継続。アップした賃金が急に戻るようなことはなく現状は維持され、さらなる改善も模索されています。