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2023.12.18
介護現場において安全な環境をつくるために欠かせないべッドメイキング
介護施設では、介護職員が定期的に別途シーツを交換します。シーツを交換するという単純な作業ですが、自宅でのシーツ交換とは少し異なった特徴があるので注意が必要です。
ここでは、主に介護職に就いて日の浅い方に向け、介護現場におけるベッドメイキングの目的と注意点を詳しくご紹介します。
介護現場におけるベッドメイキングの目的と注意点
介護現場におけるベッドメイキングの目的は、大きく分けて2つあります。
1つ目は、入居者が安全・安心できる環境作りです。心身の苦痛を最小限にとどめて、安楽できる環境作りが求められています。2つ目は、生活環境を清潔に整えることです。感染や褥創(じょくそう=床ずれ)対策や予防にも繋がるため、入居スペースを清潔に保ち、気持ちよく生活できるようサポートすることを目的としています。
また、介護施設においてベッドメイキングをする際の注意点もいくつか存在します。利用者の状況に合わせた環境を意識することが大切です。マットの硬さや種類など、利用者の方の好みに合わせたものを選択するのはもちろん、ベッドの高さや枕の位置など、使いやすさや居心地の良さを意識してください。
また、安全で効率よく作業することも意識すべきポイントです。ベッドをストッパーでしっかりと固定し、作業しやすい高さに調整した上でベッドメイキングを行ってください。
ベッドメイキングを行う際は、埃や塵が室内に舞ってしまうため、必ず換気しながら行うことが大切です。離床できる利用者には一度退室してもらい、移動が困難な場合はカーテンなどで空間を仕切る工夫を施しましょう。
シーツ交換の際にチェックすべきポイント
シーツ交換をする際は、事前・実施時・事後の3つのチェックを実施してください。
まず、シーツ交換をする前には入居者の麻痺や障害状況を確認し、入居者のニーズや好みを確認しましょう。
次に実施時には、シーツやカバーなど必要なアイテムが揃っているかをチェックするとともに、交換前のシーツに汚れなどがないか確認してください。
シーツ交換後は、汚れ物があった場合は適切に洗濯や掃除をします。ベッドメイキング後の不快感や不満がないかを利用者に確認することも忘れてはいけません。
シーツ交換時にあると便利なアイテム
シーツを交換する際にあると便利なアイテムとして、タオルケットと床頭台が挙げられます。
吸湿性や吸水性に優れたタオルケットは、ベッドメイキングをする際になくてはならないアイテムです。毛布や掛け布団の下など、肌が直接触れるところに使用することで、他のアイテムへの汚れを軽減できます。
床頭台は、利用者の方の枕元に置いて、日用品や介護用品の収納ボックスとして活用できます。介護を行う際は、物品を収納するスペースとして活用するのはもちろん、利用者の方にとって日常使いできるテーブルとしても利用できるアイテムです。
今回のまとめ
ベッドメイキングは、介護職員にとっては同じ動作の繰り返しですが、誤った方法で行ってしまうと身体に大きな負担がかかってしまいかねません。シーツ交換をする際は、介護者のボディメカニクスに配慮しながら行うよう意識してください。ボディメカニクスとは骨格や筋肉などの力学的相互関係を取り入れた技術です。重心を低くしたり、重心を移動しやすい姿勢で実施したりすることで、無理のない姿勢で効率よく作業できるようになります。
施設の利用者が安心して生活を送れるように、崩れにくく快適性の高い環境を提供できるベッドメイキングの技術を習得していきましょう。