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2023.12.21

訪問介護員のホームヘルパーができること・できないことの範囲

訪問介護員(ホームヘルパー)が利用者さんに提供できる介護サービスは、ケアマネジャーが介護保険法に基づいて作成したケアプランによって定められています。しかし、実際の介護現場では判断がつきにくい場合も多く、どこまで対応するべきか迷うこともあるでしょう。訪問介護員として、業務可能範囲をしっかりと把握しておくことが大切です。
ここでは、訪問介護員の業務範囲について詳しく解説します。これから介護業界を目指す方はもちろん、すでに介護職として活躍している方もぜひ参考にしてください。

訪問介護員の業務は身体介護と生活援助の2つに大別される

訪問介護員として働くためには、介護職員初任者研修以上の介護資格が必要です。訪問介護員の業務内容には、大きく分けて「身体介護」と「生活援助」があります。

身体介護

身体介護は、利用者さんの身体に直接触れて行う介護サービスのことです。日常生活を送るために必要な以下のような動作を支援します。

・食事の介助、見守り
・おむつ交換、排泄介助、トイレ誘導
・入浴介助、清拭
・着替えの介助
・洗面、整髪介助
・移動の介助(車への乗り降り、通院時の送迎) など

生活援助

食事の調理・掃除・洗濯など、利用者さんの以下のような日常生活の援助をすることを生活援助と呼びます。なお、家事ができる家族が同居している場合は介護職員による生活援助は原則として行うことができませんが、自治体ごとにルールが異なっていますので、各自治体のルールを確認してください。

・利用者の食事の調理、準備、片付け
・洗濯(衣服を洗う・干す・たたむ・アイロンかけ)
・掃除、ゴミ出し
・介護利用者さんのベッドメイキング、布団干し
・生活に必要な物の買い物
・通院や買い物の同行
・生活費引き落としなどの金融機関同行
・住民票の代行取得 など

介護職の訪問介護員ができることの範囲とは?

介護業務の内容は、利用者さんの状態や状況に合わせてケアマネジャーがケアプランを決定します。ケアプランに記載のない業務内容については、介護サービスの提供はできません。介護現場で利用者さんや家族の方から、急な依頼をされることも多いです。その場合は、施設のケアマネジャーや介護サービス責任者に相談・報告する必要があります。
訪問介護員の基本的な業務内容は、利用者さんのお世話です。利用者さんの家族が生活するためのお手伝いさんではありません。できることとできないことの線引きをしっかりと把握しておく必要があります。
また、業務可能範囲は市区町村によって異なりますので、該当する自治体のルールを事前に確認することも大切です。

介護職の訪問介護員がやってはいけないこと

訪問介護員が医療行為を行うことはできません。これは、医療免許を取得している職業(医師・歯科医師・看護師)以外のものが、医療行為を行うことは禁止されているためです。医療行為が必要だと判断した場合は、医師や看護師の判断を仰ぎながら適切に対応してください。
医療行為以外にも、訪問介護員ができない業務はいくつもあります。スムーズな介護サービスをするために、事前に把握しておくことが大切です。

同居家族とのトラブルを回避するために

介護保険で提供できるサービスの範囲は限られています。利用者さんの家族には事前にできることとできないことを説明しておくことが大切です。業務範囲以外のことを依頼された際には、はっきりとできないことを伝えてください。業務内容や業務可能範囲を書面にすることも大切です。業務の範囲を明確にするだけではなく、トラブルを予防する対策にもなります。

今回のまとめ

訪問介護員の業務内容は、ケアマネジャーが介護保険法に基づいて作成するケアプランによって決められています。そのため、業務内容以外の介護サービスの提供はできません。利用者さんと家族に対して事前に業務可能範囲を明確に説明しておき、トラブルを回避することが大切です。