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2023.12.27

認知症介護基礎研修の上位資格である認知症介護実践者研修について

超高齢社会の到来に伴い、認知症の患者数は増加しています。そのため、2024年4月からは「認知症介護基礎研修」の受講が義務化されました。介護事業所で働く際には、基礎研修を修了する必要があります。さらに、認知症ケアにおける高度な専門知識とスキルを習得する「認知症介護実践者研修」も設けられました。ここでは、認知症介護実践者研修の概要や仕事への役立ち方、認知症介護基礎研修の取得方法について解説します。

認知症介護実践者研修は介護職のどんな資格?

認知症介護実践者研修は、認知症ケアにおける専門職の養成を目的とした公的な研修です。この研修は、認知症介護基礎研修の上位に位置づけられています。なお研修内容は実施する地方自治体によって異なるので注意が必要です。
研修内容の一例は、認知症の病態や症状、認知症ケアの基本的なアプローチ、コミュニケーションや心理的支援、認知症ケアにおける実践的な介護技術、認知症における生活環境の整備などです。さらに、実務実習を通じて認知症の利用者に対する介護を実際に経験します。
認知症介護実践者研修は認知症ケアの専門性を証明できるため、介護職として認知症ケアに取り組みたい方、専門性を向上させたい方、キャリアの発展を目指す方におすすめです。
ただし、認知症介護実践者研修の受講対象者は、原則として介護施設や事業所などでの実務経験が2年以上の介護職員であることが条件です。また、自治体によって介護経験の年数が異なる、あるいは指定の研修を修了している場合もあるため、受講前に条件をしっかり確認してください。

認知症介護基礎研修の資格の取得方法

2021年4月の介護報酬改定に伴い、無資格で認知症ケアに携わる介護職員の認知症介護基礎研修の受講が義務付けられました(3年の経過処置あり)。認知症介護基礎研修の受講が義務付けられる対象者は、すべての介護サービス事業所で直接介護に携わる無資格の従業員です。
受講に必要な資格や経歴は不要で、受講時間も約6時間程度と比較的短いため、誰でも気軽に受講できます。
受講方法は、お住まいの地方自治体によって異なりますが、主な方法は以下の通りです。

・集合研修
・eラーニング
・通信教育

なお、受講費用は自治体によって異なりますが、目安は1,000〜5,000円程度です。
申し込みは、受講者個人ではなく、従事する介護保険施設や事業所の責任者を通じて行います。

認知症介護実践者研修を取得すると介護職の仕事にどのように役立つ?

認知症介護実践者研修を取得すると、認知症ケアへの理解が深まり、認知症の方へ適切な介護を提供できるようになります。認知症介護実践者研修では、認知症の病態や症状、認知症患者とのコミュニケーション方法、認知症特有の行動や課題への対処法など、認知症ケアに関する幅広い知識を学べるからです。これらの知識は、認知症患者に対して質の高いケアを提供する上で大いに役立ちます。
さらに、認知症ケアのプロフェッショナルと見なされるため、将来のキャリアアップにも繋がるでしょう。認知症介護実践者研修を修了することで、小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修や認知症対応型サービス事業管理者研修などの上位資格を取得するための条件を満たせるからです。

今回のまとめ

認知症介護実践者研修は、認知症ケアの専門知識とスキルを身につける研修で、介護職として認知症ケアに携わる上で重要な資格です。しかし、その前に認知症介護基礎研修を受講し、認知症の人の介護に関する経験を2年程度以上積まなければなりません。認知症介護実践者研修を受講すると、認知症ケアの専門家としてさらなるキャリアアップが望めるでしょう。