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2024.11.08
行動援護従事者養成研修と強度行動障害支援者養成研修の違い
障がい福祉の資格には、「行動援護従事者養成研修」と「強度行動障害支援者養成研修」という内容が似ている2種類の資格が存在します。2つの養成研修の違いを知ることは、障がい福祉業界への転職を希望する方のキャリア形成において非常に有用です。この記事では、2つの養成研修の違いをご紹介します。
1.行動援護従事者養成研修は外出時および外出前後のサポートが目的
2.強度行動障害支援者養成研修は日常生活のあらゆる場面でのサポートが前提
3.目的とする場面は異なるが、資格として共通点は多い
4.今回のまとめ
行動援護従事者養成研修は、行動障害のある方の外出時および外出前後のサポートが目的
「行動援護従事者養成研修」は、主に知的障害や精神障害などによって単独で行動することが非常に難しい方の外出時および外出前後のサポートを行う「行動援護」サービスにおいて、サービス提供責任者や従事者(ヘルパー)となるための資格です。従事者はこの資格の所持に加えて知的障害児者または精神障害者の直接支援業務に1年以上の実務経験、サービス提供責任者は同業務に3年以上の実務経験が必要です。
養成研修は、10時間の講義と14時間の演習の計24時間で、行動障害の基本的な知識や制度の理解から、アセスメントや記録といった実践的な手法を学んでいきます。
養成研修の受講資格は、特別な定めは設けられていません。行動援護サービスを提供している居宅介護事業所で就労したい人はもちろん、放課後等デイサービスや就労支援事業所、生活介護などでも活用できる資格です。受講費用はスクールによって異なりますが、相場は3万5千円〜5万円となっています。
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強度行動障害支援者養成研修は日常生活のあらゆる場面でのサポートが前提
「強度行動障害」とは、自傷、他害行為など、危険を伴う行動を頻回に示すことなどにより、日常生活に困難が生じている状態のことをいいます。ですが適切な支援を行うことにより、強度行動障害が低減し、安定した日常生活を送ることができることが知られています。
強度行動障害支援者養成研修を修了することで、強度行動障害の方々の特性を知り、日常生活のあらゆる場面でサポートすることができます。
養成研修は基礎研修と実践研修があり、基礎研修の受講条件は特にありません(スクールによっては、経験などの制限を設けているケースもあります)。実践研修は、基礎研修を修了していることが条件です。基礎と実践を取得すれば、行動援護従事者養成研修と同様に、行動援護サービスにおけるサービス提供責任者やヘルパーになることができます(実務経験も同様に必要)。
基礎も実践もそれぞれ2日間、12時間の講義と演習で取得できます。基礎と実践をセットで受講できる講座もあります。オンライン(ズーム等)で受講できる講座が多いのも、強度行動障害支援者養成研修の特徴のひとつです。受講費用はスクールによって異なり、基礎研修・実践研修ともに相場は2万円前後です。
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目的とする場面は異なるが、資格として共通点は多い
行動援護従事者と強度行動障害支援者はサポートを想定している場面が異なりますが、カリキュラムは共通の項目が多く含まれています。
強度行動障害支援者養成研修の基礎(12時間)と実践(12時間)のカリキュラムは行動援護従事者養成研修(24時間)のカリキュラムと同じであり(※)、加算や配置などといった資格要件として求められる場面においても、強度行動障害支援者養成研修修了者(基礎・実践)と行動援護従事者修了者は等しく扱われることが多いです。
※都道府県やスクールによって異なる場合があります
異なるのは、強度行動障害支援者養成研修は「基礎」「実践」に分かれており、柔軟な資格取得ができるところです。特に強度行動障害支援者養成研修の基礎課程は、それを持っていることで放課後等デイサービスの児童指導員加配加算の加配人員に数えることができます。
強度行動障害支援者養成研修の修了者は、児童指導員加配加算の加配職員として配置が可能
今回のまとめ
行動援護従事者養成研修と強度行動障害支援者養成研修は、サポートする場面などが異なるプログラムですが、カリキュラムや習得できる内容は非常によく似ています。目的と受講環境に応じて、適切な研修を選択しスキルアップを図ってみてはいかがでしょうか。