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2024.01.23
認知症ケア指導管理士の資格試験の概要とは?受験資格や試験内容など
「認知症ケア指導管理士」という資格をご存じでしょうか。認知症ケアに関する専門知識やケアの質を向上させるために、2010年に創設されました。認知症ケアは今後ますます需要が高まると考えられており、介護職を目指す方は取得しておきたい資格です。創設からまだ間もない資格ですので、本記事では認知症ケア指導管理士の受験資格や試験内容などについてご紹介します。
認知症ケア指導管理士は特に受験資格が設けられていない
認知症ケア指導管理士は、誰でも受験できる資格です。一般的に医療や介護に関する資格には、厳格な受験資格が設けられているケースが少なくありません。例えば、介護福祉士の場合は、数年間専門の学校で学んだ上、数年間の実務経験と必要な研修を受けなければ受験資格を得ることができないようになっています。
認知症ケア指導管理士は、このような受験資格が設けられておらず、一般の高校生や大学生、専門学校生なども受験が可能です。
ただし、認知症ケア指導管理士には初級と上級があり、上級を受験する際にはいくつかの受験資格をクリアしなければなりません。また、上級の受験資格には、初級の合格が必須です。介護福祉士や看護師などの医療・介護福祉系の国家資格、国家資格に準ずる資格を持っている(認定証が有効期限内の人に限る)場合は、初級と上級の併願受験が可能となります。
試験内容は認知症ケア全般に関する問題
認知症ケア指導管理士(初級)の試験では、認知症や認知症ケアについて高度かつ広く問う問題が幅広く出題されます。具体的な出題範囲は次のとおりです。
・認知症高齢者の現状
・認知症の医学的理解
・認知症の心理的理解
・認知症ケアの理念と認知症ケア指導管理士の役割
・認知症ケアの実践
・日常生活支援
・認知症への薬物療法
・認知症への非薬物療法
・家族への支援
・認知症ケアにおける社会資源
認知症の人を取り巻く環境は常に変化しており、それに応じたケアが必要となるため、正しく状況を理解していることが必須です。上記の範囲に加えて時事問題が応用問題として出題されるため、日頃から新聞やニュースなどを見ておきましょう。
応用問題以外は基本的に公式テキストの内容を中心に出題されるため、まずは公式テキストをしっかりと勉強しておくことをおすすめします。
認知症ケア指導管理士の試験合格率は59%
認知症ケア指導管理士(初級)は2022年12月までに26回開催されており、平均合格率は59.9%です。なお、初級の試験では60問が出題され、全60問中7割以上の正解で合格となり、公式テキストを中心に勉強すれば十分に合格できる試験です。介護従事者や医療従事者にとっては必須となる認知症ケアの知識を習得できるため、これから介護職を目指す方は早期に取得しておきたい資格と言えるでしょう。
ただし、問題の難易度に応じて合格基準点が補正されることもあるため、試験が簡単な場合はより高い正解率が求められるかもしれません。試験対策を十分に行い、7割以上の正答率をキープしておくと安心です。
今回のまとめ
認知症ケア指導管理士の初級には受験資格が設けられておらず、一般の高校生などでも受験が可能です。合格率も比較的高いため、公式テキストで十分に学習を行えば取得は難しくありません。介護職において認知症ケアは必須となりますので、早期に取得しておきたい資格の一つです。なお、上級の試験には初級合格、もしくは受験資格が設けられているため、後に現場で実務経験を積んでから挑戦することをおすすめします。