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2024.01.24

認知症ケア指導管理士と認知症ケア専門士の違いとは

内閣府の「平成28年版高齢社会白書」の予測によると、認知症患者は増加し続け、2025年には5人に1人が認知症を患うと予想されており、今後も医療・介護業界において、認知症ケアは欠かすことができません。認知症ケアの質を向上するために注目されているのが、「認知症ケア指導管理士」と「認知症ケア専門士」の2つの資格です。本記事では、これらの資格の概要や資格取得の難易度などを解説します。

認知症ケア指導管理士は介護施設の職員や家族を指導

認知症ケア指導管理士は、認知症ケアの専門性を高めるための資格です。自身の知識やスキルを向上するだけでなく、認知症ケアを行う看護・介護スタッフの指導・管理や、家族への支援についても学ぶことができます。特に、スタッフに対して指導を行うことができる人材は、医療施設・介護施設全体の認知症ケアの質向上に欠かせません。そのため、2010年に創設された比較的新しい資格でありながら、医療・介護業界での注目度が高まっているのです。
また、認知症ケア指導管理士は、「認知症ケア指導管理士(初級)」と「上級認知症ケア指導管理士」の区分に分かれています。認知症ケア指導管理士(初級)の受験に必要な資格はなく、実務経験が不要で誰でも受けることが可能です。そのため、これから認知症ケアの知識を身に着けたい方におすすめの資格です。
上級認知症ケア指導管理士は、初級の資格を保有している必要があります。医療や介護に関する国家資格を保有する方であれば、初級と併せて受験することも可能です。

認知症ケア専門士の目的は学識・技能・倫理観を備えた専門技術士の養成

認知症ケア専門士は、認知症ケアのプロフェッショナル人材を育成するための資格です。認知症ケアの知識と技術の他、認知症ケア専門士制度規則や施行細則の理解も求められます。資格取得者は倫理観を備えた認知症ケアの専門技術士として、医療機関や介護施設など様々な職場で活躍できるでしょう。
受験に際して保有資格は問われませんが、3年以上の認知症ケアの実務経験が必要とされます。さらに、資格取得後も5年ごとに資格の更新が必要であり、資格の更新には、学会や研修会への参加、論文発表などの条件があるため、最新の認知症ケアに関する知識や技術を学び続けることが必須です。

資格取得の難易度にも違いがある

認知症ケア指導管理士と認知症ケア専門士は、どちらも認知症ケアの専門知識・技術を高めることを目的としていますが、資格取得の難易度などは異なります。
認知症ケア指導管理士の難易度は比較的低めであり、2020年12月に実施された第20回試験の合格率は67.0%、第1回~第20回までの累計合格率も59.0%となっています。ただし、全体の7割を正答する必要があるため、十分な勉強が必要です。なお、上級認知症ケア指導管理士の試験は全7回実施されており、合格率は7.6%でした。上級認知症ケア指導管理士の試験の難易度はかなり高めと言えるでしょう。
一方、認知症ケア専門士の難易度も比較的低めです。2021年に実施された第17回試験の合格率は53.7%、第1回~17回までの累計合格率は52.1%でした。ただし、認知症ケア専門士の受験には3年以上の実務経験が必要なため、資格取得のハードルは高いかもしれません。

今回のまとめ

認知症ケア指導管理士は、認知症ケアに関する専門知識と技術を高め、介護施設の職員への指導・管理や認知症患者の家族の支援方法などを学ぶことができる資格です。認知症ケア専門士を取得すると、最新かつ実践的な認知症ケア知識を持ち、介護技術・倫理観も兼ね備えたスペシャリストとして活躍できるでしょう。
どちらの資格も、認知症の方がより過ごしやすいように支えていくための資格です。看護・介護業界を目指す方は取得しておくことをおすすめします。