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2024.01.24

現場運営に必要なサービス提供責任者に求められるスキル・必須知識は?

訪問介護事業所とは、支援が必要な高齢者や障がい者に対して、日常生活の介助や援助などのサービスを提供する事業所です。訪問介護事業所は「サービス提供責任者」を設置する必要があります。サービス提供責任者には、訪問介護の現場を運営していくために様々な能力が求められます。
本記事では、サービス提供責任者に求められるスキルや必須知識についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

過労を防止するコミュニケーション能力を含むスケジュール管理能力

サービス提供責任者の仕事は、大きく分けると訪問介護業務、訪問介護計画書の作成、スケジュール調整や人材育成などを含む管理業務の3種類です。
スケジュール管理では訪問介護のシフトを組み、スタッフの労務管理を担当します。同じ業務でも利用者との相性や仕事の進め方やホームヘルパーによって疲労の感じ方が異なるため、訪問介護事業所で働くホームヘルパーが疲れすぎないよう配慮する必要があります。
各スタッフと円滑なコミュニケーションを取り、「時間内に業務を終わらせることを難しいと感じていないか」、「利用者と良い関係を構築できているか」などを確認する必要があります。
また、ホームヘルパーは、利用者の自宅などを移動して仕事をしなければなりません。過密なスケジュールの際は、「次の訪問先に間に合わないのではないか」という心理的負担が強くなり、介護中や移動中にミスや事故を招くおそれがあります。
このようなリスクを軽減するためにも、サービス提供責任者には、ホームヘルパーとコミュニケーションをとって適切なスケジュール管理を行う能力が求められるのです。

メンバー成長のためのサービス提供責任者のコミュニケーション能力の醸成

ホームヘルパーの知識やスキルが向上することによって、より質の高い介護サービスを提供できるため、サービス提供責任者の重要な仕事として、ホームヘルパーへの指導や研修が挙げられます。
そのため、サービス提供責任者は研修計画を作成し、必要に応じて個別指導や訪問介護への同行なども行います。訪問介護事業所全体で取り組む必要がある場合には、個別の助言だけでなく全体研修やミーティングなどの実施も効果的です。
また、サービス提供責任者は、ホームヘルパーが業務上で感じている悩みや、まだ言語化されていない成長課題などを探り、解決する必要があります。サービス提供責任者が自ら積極的にホームヘルパーとコミュニケーションを取り、悩みや課題などを相談しやすい風土を醸成する必要があります。

スケジュール管理能力を生かした顧客満足度を上げる風土を築く指導力

訪問介護事業所の利用者は、排せつや入浴、食事など、生活に密着した援助を受けます。しかし、ホームヘルパーに来てほしい時間は、利用者によって様々です。介護保険制度により訪問介護にかけられる時間は制限があるため、その時間内で利用者が希望する援助をできる限り行うことができるようにスケジュールを調整する必要があります。
しかし、利用者の希望時間を優先するあまり、ホームヘルパーが次の訪問先に遅れることは避けなければなりません。どの利用者にも公平かつ最適な訪問介護サービスを提供するために、サービス提供責任者がスケジュール管理能力を活かしてシフトを組み、コミュニケーション能力を活かして顧客の希望をより深く聞き出す必要があります。利用者の希望やニーズに沿った訪問介護サービスを提供し続けられる体制を整えることにより、長期的に顧客満足度を向上させることが可能です。

今回のまとめ

訪問介護事業所のサービス提供責任者は、スケジュール管理能力、コミュニケーション能力、指導力が求められます。一緒に働くホームヘルパーが疲れ過ぎてしまったり、過密スケジュールから思わぬ事故を起こしてしまったりすることがないよう配慮し、成長できるような助言・指導・研修を行うことが大切です。