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2024.01.30

社会福祉士の新カリキュラムの内容は?地域共生社会や変更の背景

社会福祉士の仕事は多岐にわたり、社会の変化とともにその役割は変化し続けてきました。厚生労働省は「社会福祉士・精神保健福祉士養成課程における教育内容等の見直しについて」を発表し、2024年度第27回国家試験から新カリキュラムを反映した国家試験が実施されます。この記事では、社会福祉士の新カリキュラムの内容や見直しの狙い、背景にある社会事情についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

相談援助がメインだった社会福祉士がより幅広く活躍できるようになった

社会福祉士は、個人やその家族への相談援助を行い、適切な支援やサービスを提供することで生活の質を高める役割を果たしてきました。相談対象も高齢者や障害者、子供やシングルマザー、生活困窮者など幅広く、生活に困っている方々が自立した生活を送れるようケアプランを立て、関係機関と連携を取りながら支援を進めていくのが主な仕事のスタイルとなっていたのです。
しかし、新カリキュラムでは、「相談援助」という言葉が削除され、「ソーシャルワーク」という言葉が使われました。これは、個別の相談援助が仕事のメインだった社会福祉士を、より社会全体と幅広く関わって活躍できる人材に育てようとする方針を表しています。
新カリキュラムは福祉系の4年生大学、短期大学、専門学校で2021年度入学者から実施され、2024年度の第37回社会福祉士国家試験(2025年2月受験)から試験内容に反映されます。

地域共生社会とは誰もが生きがいを持ちながら安心して暮らせる社会

さらに、社会福祉士は、国が目指す「地域共生社会」の実現に中心的な役割を担う専門職と位置付けられました。地域共生社会とは、年齢や障害、社会的地位などに関係なく、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせる社会のことです。
新カリキュラムでは、新設科目として「地域福祉と包括的支援体制」が創設されました。これは、社会福祉士が地域コミュニティに深くかかわり、地域住民の福祉向上に貢献することを求めています。地域における包括的な支援として、地域のニーズに応じた福祉サービスの提供、地域コミュニティでの結束力を高める活動、多世代間の交流促進などが含まれています。

新カリキュラム誕生は少子高齢化や社会の複雑化が影響している

新カリキュラムの背景には、少子高齢化や社会の複雑化といった現代日本が直面している課題があります。LGBTQ+など性的マイノリティや外国人労働者への支援、80代の親が50代のひきこもりの子どもを支援する「8050問題」などがクローズアップされるようになり、社会福祉士が対応すべき課題は多様化してきました。
新カリキュラムは、これらの変化に対応し、社会福祉士が現代社会の様々なニーズに応えられるようにするためのものです。地域社会の福祉を支える重要な柱としての社会福祉士の役割は今後もますます重要になっていくでしょう。

今回のまとめ

社会福祉士の役割は、時代とともに進化し続けています。新しいカリキュラムにより、社会福祉士はこれまでの個人や家族への支援を超えて、地域共生社会の実現、現代社会の課題への対応にも積極的に関与できるようになりました。カリキュラムの変更は、社会福祉士としてのキャリアを考える方々にとって、より多くの可能性をもたらすでしょう。福祉業界への転職を希望する方々にとって、新たなチャンスとなるかもしれません。