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2024.01.31

社会福祉士と精神保健福祉士の違いは?

社会福祉士と精神保健福祉士は、福祉の分野において重要な役割を担う専門職です。いずれも国家試験に合格し、登録しなければ職名を名乗れない国家資格ですが、職域や専門性、仕事内容に明確な違いがあります。ここでは、それぞれの職種の特徴、勤務先、登録者数などについてご紹介しますので、社会福祉士や精神保健福祉士の資格に関心のある方は参考にしてください。

精神保健福祉士は精神に障害を抱えている人に特化している

精神保健福祉士は、精神的な障害を抱えている人の支援に特化した専門職で、精神科ソーシャルワーカー(PSW)と呼ばれています。近年、子供から高齢者まで心の悩みを抱える人は増加傾向にあり、精神的問題を抱える方々の社会復帰を支援し、地域社会で安定した日常生活を送れるようにするのが精神保健福祉士の役割です。
精神保健福祉士は、相談者の精神的な健康状態を評価し、必要なサービスや治療計画の提案、問題解決のための情報提供やアドバイス、家族へのカウンセリング、精神障害者を支援する制度や施設、行政機関との連携を行います。また、精神障害者の権利擁護や、社会的偏見の解消に取り組むことも重要な役割です。
一方、社会福祉士の支援対象は幅広く、精神障害を抱えている人以外にも身体障害や知的障害を抱えている人、高齢者や子供、生活困窮者、虐待を受けている人、シングルマザーなど、日常生活に困っているあらゆる人を対象としています。

精神病院など勤務先も社会福祉士と異なる

精神保健福祉士と社会福祉士のもう一つの違いは勤務先です。
精神保健福祉士は、主に精神病院、精神保健福祉センター、地域の保健所など、精神保健サービスを提供する施設で働き、精神障害を持つ相談者のサポートに集中します。メンタルヘルスに関する相談やカウンセリングを行い、地域や教育現場でアルコール依存症、薬物中毒に関する指導や啓蒙活動を実施することも少なくありません。
一方、社会福祉士は、老人ホーム、障害者支援施設、児童相談所、市町村の社会福祉協議会や福祉事務所、社会福祉施設など、より広範な社会福祉の現場で活動します。支援を希望する人からの相談を受け、活用できるサービスの提供やアドバイス、家族へのカウンセリング、生活環境の調整などを行います。
なお、介護福祉施設、医療機関の一部では精神保健福祉士と社会福祉士双方が働いていることもあるため、詳しくは各職場の求人情報などを確認しましょう。

登録者数も大きな違いで社会福祉士は精神保健福祉士の約3倍

社会福祉士と精神保健福祉士はいずれも国家資格ですが、登録者数においても顕著な違いがあります。社会福祉振興・試験センターによると、資格登録者数は2023年3月時点で社会福祉士が28万968人であるのに対し、精神保健福祉士が10万2,069人と、約3倍でした。
この数値の違いは、社会福祉士と精神保健福祉士の役割と専門性の違いを反映しています。精神保健福祉士は1997年にできた比較的新しい国家資格です。精神保健福祉士は精神障害を抱える人への支援に特化している一方、社会福祉士は支援対象が幅広く、活躍する場所や仕事内容が多様化しているため、精神保健福祉士よりも多くの人が活躍していると考えられます。

今回のまとめ

社会福祉士と精神保健福祉士は、それぞれ重要な役割を果たす専門職ですが、対象となる相談者、勤務先、登録者数において大きな違いがあります。社会福祉士と精神保健福祉士の違いを理解することは、福祉業界でのキャリアを考える際に非常に重要です。福祉の分野において、自分の興味やスキルが最も活かせる職種を見つけることが、充実した職業生活の第一歩となるでしょう。