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2024.03.11

介護施設で行われるレクリエーションの目的とは?

多くの介護施設では、歌や体操、ゲームなどのレクリエーションが日課として設定されています。レクリエーションが高齢者にとってどのような意味を持つのでしょうか。ここでは、介護施設で行われるレクリエーションの目的について、心身の機能に与える影響や効果的な企画のポイントなどをご紹介します。

利用者の脳機能や身体機能を活性化させる

介護施設では、幅広いレクリエーションが取り入れられています。これには頭を使うゲームや身体を動かすメニュー、利用者同士が交流できるプログラムなどが含まれています。特徴的な点は、これらのレクリエーションが身体や心の機能訓練を促す要素を含みながら、利用者が楽しめるよう工夫されていることです。
言葉を使ったしりとりやクイズ、パズルなどは、手軽で取り組みやすい頭を使うゲームです。また、筆やペンを使った書道や塗り絵、折り紙などは、昔の記憶とつながりを持つため、若々しい気持ちになれます。さらに、作品を壁面装飾などに活用することで、役割意識を持つことができ、レクリエーションにやりがいを感じられるのです。
また、短い体操でも身体を動かすメニューを取り入れると、日常的に動かさない部位を伸ばす効果があり、身体と心のリフレッシュにつながります。介護職の方にとっても、利用者の身体能力を再確認する機会となり、転倒防止効果も期待できるでしょう。

他者とのコミュニケーションを促進させる

高齢者にとって、家族以外とのコミュニケーションは貴重な体験です。特に外出の機会や顔を合わせる相手が限定される場合には、スタッフとの交流や利用者同士の交流が重要です。レクリエーションプログラムを通じて、コミュニケーションの楽しさを思い出し、社会性の維持や回復に役立ちます。
他者とのコミュニケーションの減少は、認知症や老人性うつの原因の一つと考えられます。認知症予防の観点からも、レクリエーションを活用してコミュニケーションを楽しむ機会を確保することがおすすめです。
介護施設の利用者は、耳が遠い、目が見えにくいといった身体的な制約を抱える場合が多いです。そのため、介護スタッフは利用者同士が交流しやすい環境を整えるために配慮する必要があります。例えば、利用者同士が同じテーブルを囲んで交流しやすいようにしたり、スタッフが間に入ってコミュニケーションを円滑にしたりするなどの工夫が大切です。

レクリエーションの目的を達成する企画とは

身体と心の活性化、社会性の向上を促すためのレクリエーション企画においては、安全性の確保が最優先です。さらに、達成感や所属意識を満たすよう配慮する必要もあります。特に、身体を動かす体操や輪投げ、ボール運びなどのレクリエーションでは、転倒のリスクを考慮した内容にすることが大切です。
創作活動においては、ハサミや先のとがった道具を使う場合には、認知症の利用者が立ち上がることなく安全に参加できるような配慮も必要です。また、料理や手芸、生花など作品を作るタイプのレクリエーションでは、一部だけでも利用者が参加できれば、達成感があります。
介護施設では利用者の身体能力や認知能力に差があるため、レクリエーション企画においては利用者の気持ちを優先し、無理強いを避けることも大切です。利用者が自己肯定感を高め、他の人と一緒に楽しむことで「ひとりぼっちではない」と感じられるようなレクリエーションを目指しましょう。

今回のまとめ

介護施設でのレクリエーションは、利用者の脳機能や身体機能の活性化に加え、他者とのコミュニケーションを促す重要な役割を果たしています。安全性を確保し、無理な負荷をかけずに配慮した上で、達成感や所属意識を満たす工夫が求められるでしょう。
また、介護関連の資格講座には、高齢者のレクリエーションに関する科目も含まれています。レクリエーションの効果や方法について学ぶことで、利用者の心身の健康維持や社会的交流の促進に寄与できるのです。