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2024.03.19

2024年の介護保険制度改正で福祉用具のレンタルと購入の選択制が始まる

介護保険制度改定によって、2024年4月より利用者が提供を受ける福祉用具のレンタルと購入の選択制が始まります。そこで今回の記事では、選択制が導入された福祉用具の種類、導入に至った背景、具体的な支援の流れについて解説します。

選択制が導入される福祉用具の種類について

改正で変わったポイントは、利用者が福祉用具のレンタルと購入を選択できる制度が導入された点です。

・選択制の対象種目と種類について
今回の選択制は全ての福祉用具に適用されるわけではなく、費用対効果の高い「単点杖(松葉杖は除く)、多点杖、歩行器(歩行車は除く)、固定用スロープ」に限られています。
いずれも利用者が購入の判断をしやすい比較的安価かつ、修理や整備の必要性が比較的低いと考えられているものです。
また「固定用スロープ」は複数必要になった場合、販売時に必要数支給するよう国から自治体へ周知されることになっています。
一方で福祉用具専門相談員に対しても、その必要性を十分に検討するよう求めています。

福祉用具の選択制が導入された背景と流れについて

令和3年度の介護報酬改定時より、福祉用具についての議論が開始されました。そして令和4年2月に福祉用具に関する検討会が立ち上がり、「高齢者の自立、福祉用具貸与等が果たしてきた役割、制度の持続可能性の確保、制度制定当時からの変化に伴う対応」を主な項目として検討されました。そして今回の改正で、介護保険を利用した選択制の導入が決定したのが全体的な流れです。
今回の変更に関して厚生労働省は、制度変更により現場が混乱しないような制度設計を考えています。またケアマネジャーや福祉用具専門相談員の業務負担が増えないように、改定までに随時情報が通知される予定です。
・導入の根拠となる背景について
今回の改定に至った背景には、福祉用具の貸与と購入に関する過去データの分析により、購入した方が自己負担が少なくなるケースが相対的に多い傾向にあることが挙げられています。つまり、利用者のレンタル期間が長期化した結果、レンタル料の方が、買取価格より高くなったケースが多いということです。そのため利用者への負担増と介護給付費の財源圧迫が起こっています。
福祉用具の選択制導入は、介護保険の基本理念である「利用者の選択の自由」の拡大と負担の軽減につながります。また利用者の合理的な選択による介護給付費の抑制、それに伴う制度の持続可能性の確保が図れることがメリットです。

利用者への具体的な支援の流れについて

福祉用具の提供まで、提供後の具体的な支援の流れは次のとおりです。

・利用者に福祉用具を提供するまでの具体的な支援の流れ
改正によって利用者にレンタルか買取の選択肢を説明・提案し、どちらにするか意思決定してもらうことになっています。
利用者への福祉用具の種目を検討する際、医師やリハビリ職を含めた多職種の意見を反映させたサービス担当者会議の活用や、ケアマネジャーが各専門職へ「照会」による意見交換を行う必要があります。また福祉用具専門相談員は、多職種から得た情報だけでなく、利用者の医学的所見に基づいた情報も加えた判断が必要です。
収集した情報を基に、利用者へ具体的な説明(機能性、使用方法、利用料、全国平均の価格、似た機能の福祉用具や価格帯の違う福祉用具)とメリット・デメリットを説明し、その上で選択制について説明と提案をおこないます。

・利用者へ提供した後の具体的な支援の流れについて
今回の改正により半年に1度の頻度でモニタリングを行うよう明確な期間が設けられました。福祉用具専門相談員は、レンタルを選択した利用者のモニタリングを行い、福祉用具の利用状況を踏まえて今後もレンタルを継続するか検討が必要です。さらに、ここで得た情報をケアマネジャーに送付することも義務付けられています。
福祉用具を購入した場合、福祉用具専門相談員が福祉用具サービス計画を作成後、目標達成状況を確認する必要があります。また、保証期間を超えていても、利用者から要望があれば、福祉用具の使用状況を確認し、必要なら使用方法の指導、修理などに努める必要があります。
そのため、福祉用具専門相談員は、利用者に商品不具合時の連絡先などを伝えなければなりません。

まとめ

2024年度の介護報酬改定で「単点杖(松葉杖は除く)、多点杖、歩行器(歩行車は除く)、固定用スロープ」の選択制が導入されました。それにより利用者は、選択の自由度が高くなり、自己負担費用軽減のメリットを享受できます。また介護給付費の削減にもつながるため、制度の持続性確保が図れる点もメリットです。
そのほか、レンタルの場合福祉用具専門相談員へ6ヶ月に1度のモニタリングが義務付けられたり、購入後のアフターフォローに努めさせたりと、これまで以上に福祉用具専門相談員へ質の高いサービス提供が求められています。

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