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2024.04.01

医療機関との連携を図るための介護の役割とは

持病を抱えた高齢者が要介護認定されたときや訪問介護を受けている高齢者が入院することになったときは、介護と医療機関が連携して高齢者を支援することになります。このような場面で、介護職はどのように医療機関と連携を図るべきなのでしょうか。ここでは、介護と医療機関の連携における介護職の役割についてご紹介します。

介護と医療機関の連携が必要な背景は高齢社会

介護と医療機関の連携が必要となる背景には、急速に進む社会の高齢化にあります。
総務省によると、2022年9月時点の65歳以上の高齢者は3,627万人で、総人口に占める割合は29.1%と過去最高になりました※
一人暮らしの高齢者や高齢者だけで暮らす世帯も増加傾向で、人生の最期まで住み慣れた地域で自分らしい生活を送るためには、介護と医療機関が連携してサポートすることが求められています。
例えば、要介護の高齢者が入院する、退院した後に介護サービスを受けるといったシーンで介護と医療機関の連携が必要となります。また、複数の病気を抱えていると、生活援助だけでは根本的に解決できないため、医療サービスの提供が欠かせません。

参照:総務省統計局ホームページ(https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1321.html)

介護と医療の連携により住み慣れた地域での在宅療養が可能

厚労省は2025年をめどに、住み慣れた地域で高齢者を包括的に支援し、介護・医療サービスなどを提供する「地域包括ケアシステム」の体制づくりを目指しています
地域包括ケアシステムでは、重度の要介護者になった高齢者、医療が必要な高齢者だけでなく、認知症になった高齢者に対しても、可能な限り自宅で生活できるように支え、退院した後は、訪問診療、訪問看護、リハビリなどを自宅で受けられるようにします。
さらに、デイサービスなどの介護サービスに加えて、配食・見守り・買い物支援などの日常生活に必要なサービスも受けることが可能です。
住み慣れた地域で自分らしく生活するために、様々なサービスが必要に応じて切れ目なく提供されるようにするのが、地域包括ケアシステムです。

参照:厚生労働省ホームページ
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/)

介護の現場では医療者が把握しきれない生活状況をフォローできる

介護職は高齢者の生活面を支援しているため、日常生活での変化に気付きやすい立場にいます。介護と医療機関が連携するシーンにおいて、介護職は高齢者のちょっとした変化や医療従事者が把握できない生活状況を医師や訪問看護師、ケアマネジャーに伝える役割を担っているのです。
そのため、介護職は、利用者の病状の変化や薬の副作用による反応を早期に発見し、医療従事者に正確に伝えるために医療に関するある程度の知識が必要とされます。医療知識があると、生活状況と病気との関係を把握しやすくなります。
また、医療従事者と比べて一緒にいる時間が多い介護者は、高齢者にとって身近な存在です。医療従事者には本当の気持ちを伝えづらくても、介護職には話せるかもしれません。介護職はそのような様子を察知し、高齢者の情報を医療従事者に伝えることで、高齢者と医療機関の架け橋としてフォローすることが求められています。

今回のまとめ

介護と医療の連携が必要となってきた背景には、急速に進む高齢社会があり、高齢者が重度の要介護者や認知症になっても住み慣れた地域で生活できる包括的な仕組み作りが進められています。介護職は医療従事者が把握できない生活状況や気持ちを把握し、医療従事者に伝える役割を担う存在です。介護・医療の連携は今後ますます必要になってきており、介護職に期待される役割も大きくなってくることでしょう。