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2024.05.27

看護師の活躍の場が広がる医療的ケア教員講習会とは

施設入所者の健康状態によっては、日常生活の介助や補助だけにとどまらず、医療的ケアが必要で医師や看護師の関与が必須のシチュエーションにも直面することが珍しくありません。しかし、医療的ケアが必要な場面で看護師などの医療スタッフが必ずしも対応できるとは限らないため、介護職員による医療的ケアの必要性が強く認識されてきました。
このような事情を背景に、実務者研修では医療的ケアが必須科目となり、研修での指導者となる看護師の需要も高くなっています。
この記事では、看護師が実務者研修の指導者となる上で受講しなければならない医療的ケア教員講習会について紹介します。

介護福祉士実務者研修の医療的ケア科目の講師になれる

看護師が医療的ケア教員講習会を経て指導看護師になることで、介護職の実務者研修会における医療的ケア科目の講師に就任できます。これまでの看護師としての経験を活かして、さらに職域を広げることはキャリアアップにつながり、より好待遇の医療現場に転職するうえでも有利になることは間違いないでしょう。
医療改革の一環で介護職員による一部医療ケアの実施が認められましたが、手技の中身は正しい知識と技術を習得し、医師や看護師などの専門職の指導関与のもとで実践されて初めて、安全で的確なケアとして実践することができます。介護の現場では医療知識に乏しいスタッフが少なくないため、医療的ケアの講師については高い需要が今後も見込まれます。

介護職員への喀痰吸引の指導ができる

医療改革の一環で、介護職員による医療的ケアの一部が認められることになりました。その具体的内容は喀痰吸引というものです。喀痰吸引とは、意識障害や全身状態により自力で喀痰を吐き出すことができない方に対して、吸引器具を使用して喀痰を除去して呼吸状態を安定させるというものです。従来は看護師資格を有していない限り実施することができませんでしたが、現在では講習を履修することで介護職員でも実施できるようになりました。吸引作業は、呼吸器に器具を挿入して実施する必要があり、方法を誤った場合は患者にとってリスクになりかねません。
介護職員が安全に喀痰吸引を行うためには、医療的ケア教員研修会を受講した看護師による喀痰吸引のための正しい知識と技術の指導が求められます。

介護職員への伝え方を学べたり連携の重要性を再確認できるメリットもある

施設入所者の方に対してクオリティの高いケアを実践するには、介護と看護のそれぞれのスタッフが連携し、相互の業務を補完しあう姿勢が求められます。看護師の場合、医療現場におけるニーズは把握していても介護の現場ではわからないことも少なくないはずです。これは、介護職員の医療の現場に対する認識も同様で、今後も深刻化する高齢化社会と現場の人手不足に対応するべく、互いにプロフェッショナルとしてそれぞれの得意分野を意識してケアに向き合うことが重要です。
在宅や施設分野においてはとりわけ専門性が重視され、相互補完する協業体制が求められるため、介護職員が介護福祉士実務者研修を受けることによる医療ケアのスキル向上は高いニーズがあります。

今回のまとめ

介護における医療的ケアの必要性の高さにこたえるべく、介護職員による喀痰吸引が認められました。この喀痰吸引においては、「医療的ケア教員研修会」を受講した看護師に限って、介護スタッフに対する研修の指導講師になることが認められています。
看護職員が医療的ケア教員講習会を履修して指導看護師となることで、活躍の場が広がるだけでなく、現場の介護職員との密な連携を図ることができ、現場の医療体制の強化が実現します。