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2024.08.05
障害者支援施設の「生活介護」とはどんな施設か
生活介護は、平成25年4月1日に施行された「障害者総合支援法」に基づくサービスで、障がいのある方の自立を促進し、生活の質を向上させることを目的としています。
主に、障害者支援施設で入浴や排せつ、食事の介助、創作活動や生産活動の機会などを提供します。
また、調理や洗濯、掃除などの日常生活の支援、生活に関する相談や助言も行います。
生活介護の提供者は、障害者支援施設や生活介護事業所であり、生活支援員が日常生活の支援を、看護職員が健康管理を担当します。その他、理学療法士や作業療法士が機能訓練を行うこともあります。これは、デイサービスや居宅介護とは異なり、常に介護を必要とする障害者向けのサービスです。
この記事では、障害者支援施設の生活介護における対象者やサービス内容、利用料などを解説します。
障害者支援施設の生活介護における対象者
障害者支援施設の生活介護を利用するには、障害支援区分の認定が必要です。
障害支援区分は、障害の程度や必要な支援の度合いを1〜6で示したもので、対象者は年齢や施設入所の有無により異なります。
年齢 | 生活介護のみ利用 | 生活介護と施設入所を併用 |
50歳未満 | 障害支援区分で区分3以上 | 障害支援区分で区分4以上 |
50歳以上 | 障害支援区分で区分2以上 | 障害支援区分で区分3以上 |
生活介護と施設入所を併用する場合は、指定特定支援事業所によるサービス等利用計画案が必要で、市町村から利用の必要性が認められた方が対象です。
参考:厚生労働省「障害福祉サービスについて」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/naiyou.html
障害者支援施設の生活介護のサービス内容
障害者支援施設の生活介護では、主に以下のサービスを提供しています。
- 身体介護
・入浴、排せつ、食事の介助
・車椅子への移乗、ベッド上での起き上がり
・服薬の介助
- 家事援助
・調理、洗濯、掃除などの日常生活のサポート
- 生活相談やアドバイス
・日常生活の問題に対する相談
・地域行政やハローワークと連携した就労支援
- 創作活動や生産活動の機会の提供
・手芸、革細工、園芸、絵画、陶芸などの創作活動
・レクリエーション
・地域との交流イベント
- 身体機能や生活能力の向上支援
・ストレッチ指導、体操
・理学療法士や作業療法士による専門的な運動療法
・ボクササイズ、ヨガ、ピラティスなどのトレーニング
- 就労の機会の提供
・作業技術や社会性の向上を目指した生産活動
・生産活動を通じた工賃の支給(出来高制や日額制)
- 社会貢献活動
・地域の人たちとの積極的な交流
サービスの内容は事業所によって異なりますが、共通して常時介護が必要な障害者を対象に、主に昼間に各種サービスを提供しています。
また、精神障害や強度行動障害をお持ちの方を優先的に受け入れている事業所もあります。
障害者支援施設の生活介護における利用料
障害者支援施設の生活介護の利用料は、基本的には報酬額の1割を利用者が負担します。例えば、2時間のサービス利用で報酬額が2,000円の場合、利用者の負担は200円です。
利用者負担には月ごとに上限が定められており、世帯の収入に応じて異なります。
区分 | 世帯の収入状況 | 負担上限月額 |
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村民税非課税世帯 | 0円 |
一般1 | 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満)
※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者を除く |
9,300円 |
一般2 | その他の世帯 | 37,200円 |
参考:厚生労働省「障害者の利用負担」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/hutan1.html
なお、利用料のほかに食費や日用品などの実費がかかる場合があります。
利用料の負担は報酬額の1割が基本で、月ごとの上限額が設定されており、食費などの実費負担が発生するケースもあるため、事前の確認が必要です。
今回のまとめ
障害者支援施設の生活介護は、平成25年4月1日に施行された「障害者総合支援法」に基づくサービスで、障がいのある方の自立と生活の質向上を目的としています。
生活支援員や看護職員、理学療法士などが、利用者に対して入浴や排せつ、食事の介助をはじめ、創作活動や生産活動の機会の提供、日常生活の支援や生活の関する相談および助言などを行います。