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2024.08.28
受講料金だけじゃない!初任者研修講座の選び方
介護職員初任者研修(以下、初任者研修)は、介護分野で働くための基本的な知識と技術を身につけるための研修です。修了すると、介護現場での実践的なスキルが得られ、介護福祉士などの上位資格取得への第一歩となります。この研修を修了することで、介護業界でのキャリアをスタートさせることができるため、介護職を目指す方にとって非常に重要な研修です。
講座の開催から修了証明書の発行は、各都道府県から指定を受けた民間スクールが担います。受講・修了することによって得られる資格の効果や履修する内容、カリキュラムはどのスクールで取得しても同じですが、料金や取得までのスケジュール、理解を助ける学習サポートや就職後のサポートは、各スクールで特色があります。
初任者研修は、介護を学ぶ最初の場であることが少なくありません。また、働きながら受講する社会人の方や学生の方は、まとまった時間を取るのが難しいかもしれません。
限られた時間の中で効率よく知識と技術を身につけて資格を取得するためには、スクール選び・講座選びはとても重要です。
ここでは、介護職員初任者研修のスクール・講座の選び方について、解説していきます。
介護職員初任者研修の「共通点」
まずは初任者研修について、各スクールや講座の共通点について押さえておきましょう。下記の項目については介護職員初任者研修という資格のいわゆる「決まりごと」であり、スクールや講座によってちがいが出ることはありません。
カリキュラムは10科目、130時間
初任者研修のカリキュラムは10科目あり、130時間の履修が必要です。全カリキュラムを修了後には筆記試験があり、合格することで資格を取得できます。
講義への出席が必須
初任者研修は、通学して授業に出席することが必須です。自宅学習のみで資格を取得することはできません(コロナ対応など緊急時は除く)。ただし、通信制度の講座があり、通学日数の一部を通信課題で置き換えることができます(後述)。
取得した資格の効果
資格を取得することで、「介護職員初任者研修修了者」となり、訪問介護の仕事をすることができます。初任者研修の資格は全国どこでも使えて、更新もないため、一生使い続けることができます。
スクール/講座によってちがいがあるところ
通信か通学か
初任者研修は、カリキュラムの130時間をすべて通学で取得する「通学制」と、自宅学習と通学を組み合わせて取得する「通信制」の講座があります。通信制の場合、最大40.5時間を自宅での学習課題に置き換えて履修することができます。
通信制は通う日数が少なくて済むため、時間的な負担は少ないですが、自宅での学習時間を確保する必要があります。また基本的にはテキストを見ながら自分で課題を解いていくため、すべてを通学で講師が目の前にいる通学制講座よりも、理解しにくいことがあるかもしれません。
同じスクールでも通信制と通学制の両方を運営しているケースもあります。一般的に募集されている講座は、通信制が多くなっています。
受講料金
初任者研修の受講料金はスクールによって差があります。全体の相場だと金額は5万円~8万円くらいの範囲に収まるようです。
金額の差が生じる理由としては、スクールの立地や運営母体、1クラスあたりの定員数、フォローアップの体制などによるものです。地域性もかなり影響しており、都市部など、狭い範囲でスクールの数が多いエリアは比較的安い傾向にあります。
中にはそれほど安いわけではなく、規模も大きくないのに、毎年何人もの修了生を輩出している人気のスクールもあります。そういったところは地域に密着し、口コミや就職実績などで結果を出しているケースが多いです。
開講スケジュール
開講スケジュールは、講座ごとに異なります。同じスクールでも「週1日コース」や「週4日コース」、「土日コース」など、複数のコースを開いていることも多いです。
カリキュラム(総履修時間)はどのコースでも同じなので、これを修了日までにどのペースで履修していくか、ということになります。週1日コースだと約4ヶ月、週4日コースだと1ヶ月の短期取得が可能となります。
当然、短期コースなど頻度が多い場合は、受講に要するまとまった時間が必要となります。通信コースの場合は合間に添削課題もこなさなくはならないため、ハードなスケジュールになります。一方で週1日コースは無理のないスケジュールで取得できますが、資格取得までに長い期間がかかることになります。
講義会場
上述のとおり、初任者研修はスクールに通うことが必須です。通学制だと約22日~23日、通信制でも15日程度はスクールに通い、講義を受講しなければなりません。
初任者研修では出席は重要な修了要件となるため、欠席はもちろん、遅刻や早退も厳しく見られます。講義は朝から始まることが多いため、渋滞やラッシュも加味し、無理なく通える場所を選びましょう。
添削課題の提出方法(通信制の場合)
通信制の講座の場合は、自宅での学習課題があります。テキストを読み進めながら、スクールから配布された課題の解答用紙に書き込む方式が主流ですが、パソコンやスマホで課題を解き、そのまま送信できるようなシステムを用いているスクールもあります。
実習の有無
「実習」とは、実際の介護現場で介護の仕事を見学したり、簡単なケアにたずさわったりする授業です。介護職員初任者研修の前身である資格、ホームヘルパー2級では必須の科目でしたが、初任者研修に変更されてからは必須ではなくなりました。
ですが、入職前に職場体験ができる貴重な時間だったためニーズも多く、スクールによってはカリキュラムに取り入れていたり、オプションで実施したりしているところがあります。
教育訓練給付金の有無
教育訓練給付金とは、スキルアップや資格取得などを目的に対象となる講座を受講した際、受講費用の一部が支給される国の制度です。スクールが申請した講座に対して、国が指定をします。初任者研修は支給の対象となるため、申請して指定を取っているスクールは多いです。対象指定が講座単位なので、同じスクールでも講座によっては対象のものと対象ではないものがあるので、注意してください。例えば週1日コースは対象だけど週4日コースは対象外、というようなこともあります。
欠席時の対応(振替制度の有無など)
やむを得ない理由で欠席した場合に、そのスクールで開催している別の曜日のコースや別の教室の講座に参加することにより、出席したとみなされる制度です。振替制度を実施しているスクールは無料でやっているところが多いようです。ただし同時期にそのエリアで開催中の講座が少ない場合などは、振替日がずいぶん先になってしまったり、遠い場所で開催している講座しかなかったりすることもあります。また初任者研修のカリキュラムの中には、この単元を受けないとその次の単元が受けられない、というものもあるので、無制限に利用できるものではありません。
振替制度がないスクールは、個別に補講を実施することで欠席時の対応していることが多いです。
割引制度の有無
募集締切日より早めに申し込むことで金額が安くなる「早期申込割引」や、複数名で同じコースに申し込んだ際の「複数人同時申込割引」など、受講料がお得になる制度です。スクールによって独自のいろいろな割引制度があります。
学習サポート
講義中に発生した疑問や添削課題の質問にはどのスクールも積極的に対応してくれますが、それ以外に、サブテキストの配布や動画の配信によって授業の理解を深めるサポートをしているスクールもあります。有料/無料で希望者に補講をおこなってくれたり、修了テスト前に自習の時間を取ってくれたりするケースもあるようです。
就職サポートの有無
資格取得後や受講期間中に、お仕事の斡旋サービスを提供しているスクールも多いです。多くは、スクールの運営会社が経営している介護施設への入職か、人材紹介/人材派遣のサービスとして、提携している施設を紹介してくれることになります。それ以外にも、介護施設の人事担当者を呼んで説明会を開いたり、面接のコツや履歴書の作成支援などをおこなったりしているスクールも多いです。就職サポートはほとんどが無料で提供されています。
キャッシュバック制度
就職サポートを活用して無事に入職した場合など、受講料金をキャッシュバックしてくれる制度です。就業形式などにより条件がありますが、フルタイムで入職し、そのまま続いた場合には全額キャッシュバックされる場合が多いです。
開講スケジュールを重視しましょう。
以上、初任者研修を選ぶ際にチェックするポイントを挙げてきました。すべての項目を完全に追いかける必要はありません。最も自分が重視する点を決めて、それ以外は「あればいい」程度の気持ちで探しましょう。いちばん大切なのは、資格を取得することです。
やはり最低限に考慮するべきは料金、講義会場、開講スケジュールです。特に開講スケジュールは注意深くチェックするようにしましょう。修了日に関わってきますし、初任者研修は出席に厳しいので、確実に通える日程を選ぶことが大切です。
フクシカサーチなら、いろいろ見て比べられる。
介護資格の検索・申込みサイト「フクシカサーチ」を使えば、受講料金、開講スケジュールをはじめ、上で挙げたようなチェックポイントを確認することができます。下記のリンクをクリックして出てくる一覧から各講座をクリックまたはタップすると、コースの詳細な情報を見ることができます。気に入った講座を決めたら、そのままページ下部の申込みボタンをクリックすることで申込みフォームへ。申込後は、スクールから受講の手続き案内が届きます。いろんなスクールのいろんな講座が掲載されているので、今すぐ受講しない方もぜひ確認してみてください。