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2023.08.08
介護職で働く人が気になる介護職員等ベースアップ等支援加算とは
介護職員等ベースアップ等支援加算とは、2022年10月より施行されている介護スタッフの処遇改善のための加算制度です。毎月受け取る賃金に直結するので、気になっている人も多いのではないでしょうか。
ここでは、介護職員等ベースアップ等支援加算が現場の介護スタッフに対してどのように関わるのか解説します。
介護職員等の処遇改善を目的としている
介護職員等ベースアップ等支援加算の目的は、介護職員等の処遇改善です。この加算はベースアップとうたっているように、基本給または手当で毎月の支払いに反映されることが条件となっています。つまり、全額を保留にして賞与としてまとめて支給するのではなく、月々の賃金がアップすることになるのです。シンプルに毎月受け取る賃金が増えるので、処遇改善を肌で感じることができるでしょう。
介護職員等ベースアップ等支援加算は収入を3%程度引き上げる
介護職員等ベースアップ等支援加算は、収入を約3%(月額平均9,000円相当)アップさせることを目的としています。しかし、毎月の賃金が必ず全員9,000円アップするということではないので注意が必要です。
この加算の要件に「加算額の2/3は介護職員等のベースアップ等に用いる」とあります。加算額の半分以上は毎月の基本給や手当に使用されますが、事業所ごとに調整が可能な1/3程度については保留のうえ賞与等に使用される可能性もあるのです。
また、加算額の分配については施設が判断します。全額を介護職員のみに加算するのではなく、一部を事務職やリハビリ職といった介護職員以外のスタッフにも分配が可能です。以上の理由から、必ず9,000円の賃金アップが約束されるものではないですが、ベースアップに使用されることが加算の要件に含まれているのは間違いありません。
離職率防止やキャリアアップに貢献する
これまで、介護職は仕事の負担に対して賃金の水準が低いというイメージがありました。改善の施策はこれまでも実施されてきましたが、負のイメージは根強く、介護職が慢性的に人手不足である理由の1つと考えられています。今後予想される高齢化社会において介護職は不可欠となっていくため、今回の加算も含め継続的な処遇改善を行うことにより仕事内容に見合った待遇が維持され、人手を確保することが重要です。
今回の加算による効果は、単純に毎月の賃金がアップするだけではありません。待遇が納得できるレベルに近付けば、離職を検討する必要なく長く同じ施設に勤務することになるので、キャリアアップにも繋がります。また、知識や技術が豊富なスタッフが増えることにより介護サービスが向上することも期待できるでしょう。
今回のまとめ
介護職員等ベースアップ等支援加算は、介護職員の処遇改善を目的とした加算制度です。基本給や手当に反映されるので、毎月の賃金がアップすることになります。ただし、加算額は施設の判断で介護職員以外のスタッフにも分配することが可能。収入を約3%(約9,000円)引き上げることを目標とした施策ではありますが、そのまま9,000円がアップするわけではない点に注意が必要です。処遇が改善される加算であることに違いはないので、モチベーションに繋げて日々の介護に向き合ってください。