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2023.08.08

介護職の接遇マナーの基本とは?介護職として働くなら押さえておこう

ここ数年、介護の現場で「接遇マナー」というキーワードが注目を集めています。利用者とその家族だけでなく、一緒に働くスタッフとの良好な関係を築くために、接遇マナーを新人研修に組み込む介護施設も急増中です。
ここでは、接遇マナーが介護現場で必要とされる理由、気を付けるポイントなどをご紹介します。

接遇マナーとは?

接遇マナーとは、「思いやり」や「おもてなし」の心を持って相手に接する態度や心構えのことです。よく似ている言葉に「接客」がありますが、接客はお客様を相手に応対することを意味しますが、「思いやり」や「おもてなし」のニュアンスは少ないと言えます。
人とのコミュニケーションでは、言葉遣いや話す内容、顔の表情や声のトーン、ジェスチャー、身だしなみなどによって相手の印象は大きく異なります。いわゆる「感じが良い人」は、接遇マナーが自然と身に付いているため、人から信頼され、人間関係を築くのが上手です。
非言語のコミュニケーションも含め、もっと喜んでもらいたい、といった「おもてなし」の心を持って接することで、良好な人間関係を築きやすくなり、笑顔あふれる幸せな環境を作ることに繋がります。

介護現場で接遇マナーが重視される理由

介護現場で接遇マナーが重視されるようになった理由は、以下の通りです。
・利用者が毎日安心して暮らせるから
・一人ひとりに合った質の高いケアが求められているから
・介護職同士の信頼関係を築くのに役立つから
・職場環境が良くなり、モチベーションがアップするから

利用者が毎日安心して暮らせるから

介護の現場は、利用者にとって生活の場で、毎日を安心して心地良く過ごせるように心配りをすることが求められます。介護職が接遇マナーを意識して利用者と接することで、利用者や家族から「この人に任せて良かった」と思われるはずです。

一人ひとりに合った質の高いケアが求められているから

同じケアをするにしても、利用者の体調や状況に応じて対応する必要があります。利用者一人ひとりの生活スタイルに合わせた「個別ケア」を行うことで、より質の高いサービスを行うことが可能です。

介護職同士の信頼関係を築くのに役立つから

接遇マナーを身に付けると、介護職同士のコミュニケーションも円滑になり、信頼関係が構築されやすくなります。職員同士がギスギスした関係だと、利用者やその家族にも伝わり、悪影響を及ぼすことになりかねません。

職場環境が良くなり、モチベーションがアップするから

職場環境が悪ければ、報告・連絡・相談といった必要最低限のやり取りにも支障を来たすことも考えられます。業務が滞る可能性もあるかもしれません。接遇マナーを習得して仕事を行うことで、職場環境が良くなり、介護職員のモチベーションアップにも繋がります。

接遇マナーで気をつけるポイント

接遇マナーで気を付けるポイントは以下の5つです。これらは接遇マナー5原則と呼ばれており、基本の「き」に当たるものです。
・みだしなみ
・あいさつ
・表情
・言葉遣い
・聴く姿勢

みだしなみ

介護現場では、清潔感があり、シンプルな身だしなみが大切です。髪が長い場合は一つに束ね、前髪が表情を隠さないようにします。香水や匂いのきつい整髪料は厳禁です。アクセサリーは、着用しないのが原則ですが、結婚指輪や小さなピアスは許可している事業所もあります。

あいさつ

あいさつはコミュニケーションの基本であり、誰に対しても明るく元気にあいさつをすると、第一印象が良くなります。利用者にあいさつをする際、前から近づき笑顔であいさつする、少し距離をあけて大きな声であいさつするのがポイントです。車椅子の高齢者などには、目線の高さに合わせて、ゆっくりはっきりあいさつをします。

表情

話を聞くとき、話をするときは、相手の目を見て笑顔で対応することが大切です。口角の上がった優しい表情は相手の心を開き、和ませてくれますが、マスクをしていて表情が見えなくても目元で表情は伝わります。不機嫌な顔や無表情で接すると、話しかけにくい印象を持たれてしまうので注意してください。

言葉遣い

利用者に対して、親しみを込めて話すことは大切ですが、馴れ馴れしい言葉遣いは好ましくありません。命令口調や子どもに話しかけるような口調は使わないことをおすすめします。「○○をしてあげる」という言葉も使わないようにしましょう。

聴く姿勢

介護の現場では、利用者のニーズをくみ取ることが大切です。利用者の話に耳を傾け、理解しようとする姿勢を大切にしてください。

今回のまとめ

接遇マナーはおもてなしの心を持って相手に接する態度や心構えのことであり、みだしなみ、あいさつ、表情、言葉遣い、聴く姿勢の5つは接遇マナー5原則と言われています。介護職として働く際には接遇マナーを身に付け、笑顔を意識することが大切です。