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2023.08.08

介護福祉士は医療行為ができる?介護職ができる行為とできない行為

介護施設での医療行為はこれまで、医療従事者にしか許されていなかったのですが、2012年の法改正により、介護福祉士も医療行為の一部ができるようになりました。
ここでは、介護福祉士に認められた医療行為、してはいけない医療行為などについてご紹介します。

介護職に認められている医療行為とは?

医療行為とは、医師法などによって規定されている行為のことです。医療行為ができるのは原則として、医師や歯科医師、看護師など、国家資格を有する医療従事者のみとなっています。介護職は病院などの医療現場で働いている人も多いのですが、医療従事者に該当しないため、できないのが原則です。
しかし、介護施設でも、職場や利用者から医療行為に近い行為を求められる場面も多かったこともあり、介護職にも一部の医療行為が正式に認められるようになりました。2012年の法改正で介護職でも行えるようになった医療行為は、喀痰(かくたん)吸引と、経管栄養です。
喀痰吸引は、吸引器具を使って、口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部の痰や唾液を取り除く医療行為です。経管栄養は、口から食事を取ることができない場合や誤嚥(ごえん)のリスクが高い場合に、チューブやカテーテルを通して胃腸に直接栄養や水分を送る医療行為です。これら2つの医療行為は、介護福祉士の資格を取得することで行うことができます。また、資格がない介護職が行う場合、実地研修を受けることが必須条件です。

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介護福祉士の取得でできるようになる医療行為

介護福祉士の資格を取得することでできるようになる医療行為として、以下のようなものがあります。

・耳掃除
・口腔ケア
・爪切り
・カテーテル交換時の準備・体位の補助
・ストーマパウチにたまった排泄物の廃棄
・市販されている浣腸器による浣腸

これらの医療行為は、医師法や保健師助産師看護師法などの法律でも規制対象外です。ただし、行為ができるのは、要介護者に異常がなく専門的な管理が不要な場合だけとされています。
また、医療行為以外に「医療的ケア」という行為が存在します。医療的ケアは、介護職であれば行える行為です。代表的な医療的ケアは以下の通りです。

・体温計での体温測定
・自動血圧測定器での血圧測定
・パルスオキシメータを使った血中酸素飽和度の測定
・切り傷やすり傷、やけどなど、専門的技術や判断がいらない処置
・湿布を貼る
・床ずれの処置以外の軟膏の塗布
・座薬の挿入

介護福祉士を含む介護職ができない医療行為とは?

実際の介護現場では、利用者から以下のような医療行為を求められる場合があるかもしれません。しかし、喀痰吸引と経管栄養の2つの例外を除き、介護福祉士の資格を取得していても行うことはできないので注意してください。

・インスリン注射
・血糖測定
・点滴管理
・摘便
・床ずれの処置

これらの医療行為が必要な場合は、医療従事者に行ってもらわなければなりません。介護福祉士が行えるのは、利用者に対するサポートだけなので、例えば、インスリン注射をするよう促す、血糖測定の結果を一緒に確認するといった行為は、介護福祉士でも可能です。
介護福祉士が認められていない医療行為を行った場合、医師法違反となり、処罰されます。医師法では、医療従事者でない人が無資格で医療行為をした場合、「3年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金」と定められています。

今回のまとめ

介護の現場で、実際、自分が行おうとしている処置が医療行為に当たるかどうか迷った場合は、必ず医師に相談しましょう。利用者からお願いされたとしても、自分の判断で対応するのは避けてください。介護福祉士を含めた介護職には、できる医療行為とできない行為があることを理解しておくことが大切です。