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2025.02.10
介護職員初任者研修は入職前に受けるべき?認知症介護基礎研修との違いを解説
2024年4月の介護保険法改正で、認知症介護基礎研修の義務化が始まりました。
介護の仕事に興味がある方の中には、「認知症介護基礎研修は、必ず受けないといけないの?」「入職前に介護職員初任者研修を受講した方がいい?」と迷っている方も多いでしょう。
この記事では、義務化の背景や研修内容を解説した上で、入職前に初任者研修を取得するケースと、入職後に認知症介護基礎研修のみを受講するケースを比較します。
それぞれのメリット・注意点を踏まえ、将来のキャリアや、さまざまな介護現場で活躍したい方には、介護職員初任者研修の取得がおすすめな理由を解説します。
認知症介護基礎研修の義務化とは?
2024年4月の介護保険法改正により、介護サービス事業所で無資格の職員が働く場合、「認知症介護基礎研修」の受講が義務付けられました。
ここでは、義務化の背景や研修の概要について詳しく解説します。
介護保険法改正の背景 :なぜ義務化されたの?
認知症介護基礎研修が義務化された背景には、認知症の高齢者が増加していることがあります。高齢化に伴って、認知症の方も増加していく見込みです。
認知症は、アルツハイマー病などの脳の病気によって、記憶力や判断力が低下していく病気であり、進行に応じたケアが欠かせません。このような背景から、介護職員が認知症を正しく理解し、適切なケアを提供できるように、研修が義務化されることになったのです。
認知症介護基礎研修とは?:目的や学習内容、受講対象者について
認知症介護基礎研修は、介護現場で働く職員が認知症の方への理解を深め、適切なケアを提供するための研修です。認知症の基礎知識や対応方法、コミュニケーションのコツなどを学びます。
受講対象は、介護保険サービスを提供する事業所で働く無資格の職員です。2024年4月以降、介護業務に従事後1年以内に研修の修了が必須となっています。
認知症介護基礎研修の受講方法
認知症介護基礎研修の受講方法は、現状eラーニングです。eラーニングとは、パソコンやタブレットなどの端末とインターネット環境があれば、時間や場所を選ばずに受講できる学習形態です。
受講時間は、約3時間程度で修了できます。受講完了後には、修了証明書が発行されます。
入職前に介護職員初任者研修は必要?2つのケースを比較!
介護の仕事に就く前に、介護職員初任者研修を取得すべきかどうか、迷う方も多いのではないでしょうか。
ここでは、入職前に介護職員初任者研修を取得するケースと、入職後に認知症介護基礎研修のみを受講するケースを比較します。それぞれのメリットと注意点を見ていきましょう。
ケース① 入職前に「介護職員初任者研修」を取得する
入職前に介護職員初任者研修を取得するメリットは、介護の基礎知識や技術を体系的に学べることです。例えば、食事や入浴の介助方法、利用者様とのコミュニケーションの取り方など、実践的な内容を、じっくりと学べます。
また、就職先の選択肢が広がり、資格手当がつく場合もあるので、給与面でのメリットも期待できます。注意点としては、受講費用が5〜10万円程度かかることです。また、働きながら受講する場合、時間的な制約がある点にも考慮する必要があります。
介護職員初任者研修を取得していれば、認知症介護基礎研修を改めて取得する必要はありません。
ケース② 入職後に「認知症介護基礎研修」のみ受講する
入職後に認知症介護基礎研修を受講するメリットは、費用を抑えられることです。多くの場合は、就職する介護施設が費用を支払ってくれるため、研修費用の負担はありません。また、短時間で学べるため、プライベートの時間を確保しやすいのもメリットです。
一方、注意点としては、学べる内容が認知症ケアに限定されるという点が挙げられます。
認知症介護基礎研修では、身体介護や生活援助といった、介護業務に必要な知識や技術は学べません。また、介護職員としてのキャリアアップには繋がりにくいという点も理解しておく必要があります。
認知症介護基礎研修は、あくまで介護の入り口として、最低限の知識を身につけるための研修と考えるのが良いでしょう。
介護のプロとしてキャリアを築くなら、介護職員初任者研修がおすすめ!
ここでは、介護のプロとして、より長く、より幅広く活躍したい方には、介護職員初任者研修が最適な理由を3つお伝えします。
① 介護の基礎を体系的に学べるため、活躍の場が広がる
介護職員初任者研修では、介護現場で必要となる知識と技術を体系的に習得できます。食事や入浴、排せつ介助といった身体介護の基本はもちろん、利用者様とのコミュニケーション方法など、介護のプロとして欠かせない知識と技術を、しっかりと身につけることが可能です。
②キャリアアップの選択肢が広がり、将来の可能性が広がる
より専門性の高い「介護福祉士実務者研修」の一部科目が免除されることも、大きなメリットです。介護福祉士実務者研修を修了した後は、実務経験を積むことで、国家資格である「介護福祉士」の受験資格を得られます。
介護福祉士は、介護の専門家として、より高度な知識と技術を活かして利用者様の生活を支援する資格です。
このように、介護職員初任者研修は、将来的にキャリアアップを目指し、やりがいのある仕事に就きたい方にとって、最適な資格と言えます。
③ 介護業界で長く働くなら、資格は大きな強みになる
超高齢社会を迎える日本において、介護職員の需要は、今後ますます高まっていくと予想されます。このような社会情勢の中、介護職員初任者研修は、キャリアを築く上で確かな土台となるでしょう。
介護の知識と技術を身につけることで、介護業界から必要とされる市場価値の高い人材へと成長することも難しくありません。また、介護職員初任者研修は、広く認知されている資格のため、就職活動を有利に進められるだけでなく、資格手当などの待遇面でのメリットも期待できます。
④ 訪問介護ができる、就職先の選択肢が大幅に広がる
介護職員初任者研修を修了すると、訪問介護(ホームヘルプサービス)の仕事に従事できるようになります。訪問介護では、利用者の自宅を訪問し、食事や入浴、排せつなどの身体介護や、掃除や買い物といった生活援助を行います。
また、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅といった入居施設においても、提供する介護サービスは訪問介護となるため、就職先の選択肢が大幅に広がります。
訪問介護は、利用者一人ひとりに合わせたケアを提供できる点が特徴です。自宅での生活を支援するため、コミュニケーション力や臨機応変な対応力が求められますが、その分やりがいを感じやすい仕事でもあります。
訪問介護は介護職員初任者研修以上の資格が必要とされるため、認知症介護基礎研修では従事できません。介護職員初任者研修を取得すれば、訪問介護員(ホームヘルパー)として働く選択肢が広がり、自身のライフスタイルに合わせた働き方を選ぶことも可能になります。
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まとめ
2024年4月の介護保険法改正により、介護事業所で無資格者や未経験者が介護施設で働く場合には、認知症介護基礎研修の受講が義務付けられました。ただし、学習する内容は認知症ケアに特化しており、介護業務全般を体系的に学べるわけではありません。
「介護の基礎から応用まで幅広く学び、様々な現場で長く活躍したい」「将来は介護福祉士の資格を取得し、キャリアアップを目指したい」という方には、介護職員初任者研修がおすすめです。
介護職員初任者研修は、介護のプロとして必要な知識と技術を学べるだけでなく、将来のキャリアアップや資格手当も期待できます。また、就職活動においても有利になることもメリットのひとつです。
超高齢社会を迎える日本において、介護の仕事の重要性は、今後ますます高まっていくと予想されます。介護職員初任者研修を受講し、自信を持って介護業界への一歩を踏み出しましょう。
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