お知らせ・コラム Column
Column
2023.08.08
介護職を目指す上で押さえておきたい作業療法士と理学療法士の違い
介護職を目指す中で、作業療法士や理学療法士の仕事内容を知りたいという方も多いのではないでしょうか。
ここでは、作業療法士と理学療法士の違いと、介護職転職で作業療法士や理学療法士を取得するメリットについて解説します。それぞれの仕事内容を把握して、ご自身の希望する職種を選択してください。
作業療法士と理学療法士は目的や仕事内容に違いがある
作業療法士と理学療法士は目的や仕事内容が異なります。ここからは、それぞれについて解説していきます。
作業療法士
作業療法士の仕事の目的は、心と日常生活などの応用動作と社会適応のための能力の回復です。障害を有する方が作業を自分で行えるよう、自分らしく快適に暮らせるようにリハビリテーション治療を行います。
基本的には、理学療法のリハビリで機能が回復した患者さんに対し、日常動作や応用動作、社会適応のための能力を回復するために複合的な動作訓練を行います。動作訓練は、食事や着替えなどの基本的なものから、運転や洗濯、就労支援などの応用が必要なものまで多岐にわたります。
理学療法士
理学療法士の仕事の目的は、基本動作の回復や維持、予防です。仕事内容は、困難となった日常生活の動作を繰り返すことにとどまりません。どうしたら一人でその作業を簡単に行うことができるようになるのか、また継続的にできるようになるかなど、患者さん一人ひとりの身体能力や生活環境、性格に合わせてリハビリを行うことです。そのため、患者さん一人ひとりに向き合って、その人に合った治療を施すのが理学療法士です。
例えば、起き上がりや立ち上がり、座位などの機能回復訓練や筋力強化、関節可動域の拡大、バランス能力のアップ、歩行、移動動作訓練などの基本的な動作訓練を行います。
作業療法士と理学療法士が活躍できる現場
作業療法士と理学療法士が活躍できる現場は基本的に同じです。理学療法士のリハビリによって、機能が回復した患者に対し、作業療法士が日常動作や応用動作、社会適応のための能力を回復するために複合的な動作訓練を行います。
活躍できる現場は以下のような場所です。
・一般病院
・総合病院
・通所リハビリテーション施設
・通所介護施設
介護職への転職で作業療法士や理学療法士を取得するメリットとは?
介護職への転職で作業療法士や理学療法士を取得するメリットは3つあります。それぞれについて解説します。
給料アップにつながる
「令和3年度介護従事者処遇等調査結果」では、作業療法士や理学療法士、機能訓練指導員は常勤で月収350,080円、年収加算すると4,200,960円です。他の介護職員と比べ、収入の水準は高い傾向が見られます。
そのため、作業療法士や理学療法士の資格を取得していると給料のアップに繋がるでしょう。
ただし、この数値は平均なので、他に保有している資格や施設の規模によっては給料が異なりますので、注意してください。
参照元:「令和3年度介護従事者処遇等調査結果」表80
一人ひとりに向き合ったリハビリができる
介護施設は医療機関に比べ、長期的にサービスを利用する方がほとんどです。そのため、一人一人に向き合ったリハビリができます。
リハビリを必要とする利用者は様々で、ケア内容にも個人差があります。利用者との信頼関係を築き、リハビリの効果を感じられたときには達成感を感じられるでしょう。
維持期に携わることができる
介護に携わる中で、維持期のリハビリは重要であり、維持期にしかない課題もあります。身体機能だけでなく、環境、家族や社会との関係、精神的な問題など様々な要素に目を向けなければなりません。
介護現場では、維持期の症例に合わせた経験を積めるため、スキルアップにもつながります。
今回のまとめ
今回は、作業療法士と理学療法士の違いについて解説しました。同じリハビリテーション治療を行う職種ではありますが、仕事内容は異なります。また、作業療法士と理学療法士の資格を持って介護施設で働くと、給料がアップしたり、一人ひとりに合ったリハビリができたりするなどのメリットが得られるでしょう。
自身に合った資格を取得して、介護現場でやりがいを感じながら働いてみてはいかがでしょうか。