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2023.08.10

誤解されることが多い介護士と介護福祉士の違いや仕事内容

介護スタッフが自分の役目や役職を名乗る際「介護士」と「介護福祉士」という、類似した2種類の名称があります。非常に良く似た名称ですが、実は介護士と介護福祉士は全く異なるので注意が必要です。
ここでは、誤解されがちな介護士と介護福祉士の違いについて解説します。

名称の違いは資格の有無

最初に結論から言いますと、介護福祉士と介護士の違いは資格の有無です。
介護福祉士とは資格の名称およびその資格を所持している人のことを言います。介護福祉士と名乗れるのは資格所持者のみで、万が一資格のない人が介護福祉士を名乗ってしまうと法律違反となるのです。
一方、介護士は、介護福祉士以外の介護従事者のことです。こちらは、資格の有無は関係ありません。有資格者は介護福祉士、それ以外の介護従事者全員が介護士ということになります。

介護関係の仕事に従事する人はすべて介護士

介護福祉士は「名称独占資格」です。名称独占資格とは、資格のない人がその資格の名称を名乗ることは法律違反ですが、業務自体は無資格でも従事することが可能。介護福祉士の他に名称独占資格には調理師、栄養士、保育士などがあります。どの仕事も、無資格でも従事そのものは可能ですが、無資格者が調理師や保育士と名乗ることはできません。代わりに料理担当者や保育補助者などと呼ばれます。呼び方で、有資格者と無資格者を区別しているのです。
介護の業界では、介護福祉士の資格所持者以外は介護士と呼ばれます。無資格でも、介護職に従事すれば全員が介護士なのです。

介護福祉士は介護に関する唯一の国家資格

介護に関連する資格は多数ありますが、その中でも国家資格は介護福祉士のみ。取得までのハードルは高めですが、取得できれば資格手当がついたり役職に就ける可能性が高まったりと、努力への見返りは充分に見込めるでしょう。長く介護士として働くのであれば、介護福祉士の取得を検討するのがおすすめです。
介護士として働きながら介護福祉士の取得を目指すためには、まず前提となる介護福祉士実務者研修を取得する必要があります。介護福祉士実務者研修は、450時間の研修を受けることで取得可能。この資格がないと介護福祉士の受験資格が得られませんが、それだけではなく介護福祉士実務者研修だけでも一定の技術と知識を証明する資格として機能するので、介護士としてレベルアップを目指す場合にもおすすめです。
介護福祉士実務者研修を取得済みで3年以上の実務経験を積むと、介護福祉士の受験資格を得ることができます。国家試験を受験し、突破することで晴れて介護福祉士になれるのです。不合格でも受験回数制限なく再受験が可能なので、まずは介護士として働いて受験の条件を満たすことを目指してください。

今回のまとめ

介護福祉士と介護士は呼び方が似ていることから混同されがちですが、介護福祉士は国家資格所持者です。介護職に従事する人は全員が介護士ですので、イメージとしては介護士という大きな集団内の一部に介護福祉士がいると考えると良いでしょう。介護福祉士の資格取得は実務経験が3年以上必要だったり、事前に介護福祉士実務者研修の取得が必要だったりとハードルは高いですが、手当や役職に反映されるため努力する価値のある資格です。介護福祉士は確かに介護士の一員でもありますが、国家資格に裏付けされた技術と知識を所持するプロフェッショナルだと言えるでしょう。