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2023.08.10

要介護者や高齢者に対するオムツ交換の心構えや配慮すべきこと

介護業務の中でも食事・入浴・排泄の3つは「三大介護」と呼ばれ、介護職に就いたなら必ず行う基本業務です。中でも排泄介助は注意して行わないと介助する側とされる側、双方の負担になりかねません。
ここでは、排泄介助の中でも技術や知識を要するオムツ交換について、効率的なやり方を解説します。ただオムツを交換するだけではなく、周囲や要介護者への配慮についてもポイントを押さえておきましょう。

不快な臭気の遮断やカーテンの用意が介護職の責務

オムツ交換は、要介護者と周囲の双方に配慮して行う必要があります。オムツを開くとどうしても周囲に臭気が漏れてしまうので迅速な交換で最低限に抑え、オムツ専用の袋などを利用してすぐに片付けましょう。
また、オムツ交換はカーテン等で遮断された空間で行います。仕切りがあったほうが臭気漏れしにくいほか、要介護者のプライバシーに配慮して周囲から見えないようにオムツ交換を行うことが大切です。

時間をかけず周りに気取られないのが上手にオムツ交換を行う秘訣

前述のように周囲への臭気漏れや要介護者の気持ちに配慮するためにも、オムツ交換はスピーディに行わなければなりません。そのために重要なのは、事前準備です。オムツ交換に必要な道具の一例として、以下のものが挙げられます。
・新しいオムツと尿取りパッド
・使い捨て手袋
・使い捨てエプロン
・ティッシュペーパーまたはトイレットペーパー
・ケアシーツまたは新聞紙
・ビニール袋(防臭袋)
オムツ交換の道具は、あらかじめ手の届きやすい場所に準備しておきましょう。使いやすいセッティングは、経験を積む中で模索して自分なりに最適な位置を探してください。また、オムツ交換で腰などを痛める介護士も多く見られます。オムツ交換の技術が向上して迅速にできるようになれば、要介護者だけでなく自分自身も楽になります。

自尊心を損なわないオムツ交換が優れた介護職の条件

オムツ交換は、要介護者としても介助されることに抵抗を感じることがあります。特に、まだ介護士との交流が浅い場合は恥ずかしかったり遠慮してしまったりすることから、精神的ストレスになってしまうことも少なくありません。オムツ交換時は、要介護者の自尊心に配慮する必要があるのです。
具体的には、周囲から見えないようにカーテン等で遮断することはもちろんのこと、時間をかけず迅速に交換を済ませることも重要です。また、「今から●●しますね」といったように何をするか事前に伝えて不安を取り除くことは必須ですが、周囲に声が漏れないよう小声で伝える必要があります。
中には「オムツ」という言葉を嫌う人もいます。その場合、「下着」「紙パンツ」といったように別の言い方をすると良いでしょう。自力で排泄できずオムツを使うことになったという事実で、既に要介護者は傷ついています。その気持ちにできるだけ寄り添い、これ以上傷つかないよう想いを尊重することが大切なのです。

今回のまとめ

オムツ交換には、要介護者の自尊心を傷つけてしまわないよう注意すべきポイントがあります。道具をしっかり準備して迅速な交換をする他、周囲の視線を遮断して小声で話すなどの気遣いが必要です。1日に何度も行うオムツ交換は、する側もされる側も双方の負担になりがちですが、効率よく行うための知識を学ぶとともに、経験を積んで技術を向上させることで頼られる介護士へと成長できるでしょう。