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2023.08.10
看取りと介護は同時進行!覚えておきたい看取りの基本と介護職に必要な事
看取り介護は、利用者が自分らしい最後を過ごせるようサポートする介護の方法です。特別養護老人ホームやグループホーム、有料老人ホームなどの介護施設では、看取り介護は欠かせないケアと言えるでしょう。
ここでは、看取り介護で必要となる具体的なケアや介護士の役割などを紹介します。
看取り介護が必要な人に介護職が出来ること
看取りとは、近い将来訪れる死を避けらない方に対して、無理な延命治療を行わず、自然に亡くなる過程を見守ることです。、2006年に「看取り介護加算」が新設されてから、介護施設で最期を迎える方が年々増加しており、特別養護老人ホームの7割以上が看取り介護を行っています。
症状の回復が見込まれないと医師が判断した場合、利用者や家族の希望を尊重したうえで、医師や看護師、介護職が連携して24時間体制で看取りを行います。
看取り介護における介護士の役割は、身体的・精神的苦痛を緩和・軽減しながら、「尊厳のある死」を迎えられるようにサポートすること。看取りの過程で日常的な生活支援を行います。
看取り介護とよく似た言葉に「ターミナルケア」がありますが、ターミナルケアは点滴などの医療行為を行うもので、医療現場で使われる言葉です。
看取り介護で必要になるケアとは
看取り介護と日常の介護は、同時進行しているイメージです。看取り介護で必要となるケアを具体的に見ていきましょう。
利用者へのケア
食事は本人の気持ちを尊重し、食べたいものや飲みたいものを提供します。入浴して清潔に保つのは日常と変わりません。朝の洗顔、口腔ケアも普段と同じです。排泄できない場合は、医師に相談して浣腸やマッサージを行うこともあります。
精神的に不安になるため、声掛けや、手を握るといったスキンシップを行い、精神的苦痛を和らげるようにすることが大切です。
家族へのケア
家族に対して、状況を丁寧に説明する、家族が横になれる場所を用意する、不安を和らげるのも介護職の役割です。家族の希望を聞き取り、できるだけ要望を叶えられるように努めます。
看取り前のサポート
介護施設で対応できる内容を説明し、看取り介護同意書・計画書の同意をもらいます。危篤時に医師や家族に連絡を取り、最期を迎える準備を行うのです。
看取り後のサポート
医師への連絡、葬儀社の手配、死後の処置や死亡手続きも行います。
最終段階の看取り介護で人生の質を高める
看取り介護では、最期まで利用者が自分らしくいられる介助や、精神的・身体的な苦痛を取り除くためのケアに重きが置かれています。そのため、外出困難な体調でも行きたい場所に同行する、バイタルが高くてもお風呂に入りたい方に入浴介助する、嚥下力が弱くなった方に好きな食べものを提供することも少なくありません。
「これって大丈夫?」と思うこともあるかもしれませんが、看取り介護で大切なのは、利用者や家族の満足感です。
幸せな最期を迎えられ、後悔のない看取り介護を行ったとしても、利用者の死にショックを受ける介護職は少なくありません。看取り介護の知識を身に付け、不安な気持ちがある時は、同僚や先輩に相談し、1人で抱え込まないようにしてください。
今回のまとめ
看取り介護は、症状の回復が見込まれない利用者に対して、幸せな最期を迎えられるようサポートする介護です。看取り介護で大切なのは、利用者と家族の満足感で、通常の介護とは異なる対応が求められることもあります。看取り介護への理解を深めることが不安解消の第一歩となるでしょう。