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2023.08.10
介護職員がメンタル悪化を防ぐために知っておきたいストレスチェック制度
介護職員が直面することとして多いのが、メンタル面の問題です。
ここでは、ストレスチェック制度が義務化された背景や、義務化されることで生まれる効果、ストレスチェック助成金の内容と必要になる書類について解説します。労働環境改善に役立てられるため、ぜひ参考にしてください。
介護職員にストレスチェック制度が義務化された背景
近年、仕事や職業生活に関して強い不安や悩み、ストレスを感じている労働者は5割を超える状況にあると言われています。仕事によるストレスで精神障害を発病し、労災認定される労働者が増加してきており、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止することが課題になっていました。
そこで、平成26年6月25日に公布された「労働安全衛生法の一部を改正する法律」(平成26年法律第82号)により、心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)及びその結果に基づく面接指導の実施等を内容とした「ストレスチェック制度」(労働安全衛生法第66条の10に係る事業場における一連の取組全体を指します)が新たに創設されました(平成27年12月1日施行)。
出典:中災防
ストレスチェック制度が義務化されたことで生まれる効果
ストレスチェック制度が義務化されたことにより、下記の2つの効果が期待できます。ストレスチェックが不要だと考える方に、効果を理解してもらうために活用してみると良いでしょう。
職員のメンタルヘルスケア意識が上がる
ストレスチェックの実施によって、職員のメンタルヘルスケア意識を上げることができます。2022年3月に厚生労働省が実施したアンケート調査で公表されたストレスチェックの効果として挙げられたのは、職員のセルフケアに対する関心の高まりや、職員のメンタルヘルスケアの重要性を理解した環境が作り上げられたことでした。
また、ストレスチェックを受験した方の半数以上は、実施によってストレスを日常で意識するようになったと回答しています。施設全体で職員のメンタルヘルスケアを意識した施策に取り組むために、職員がどの程度のストレスを感じているのかを知らなければいけません。
職場環境を改善できる
ストレスチェックの検査結果を基に、職場環境の問題点を洗い出して改善に繋げることができます。2022年3月に厚生労働省が実施した聞き取り調査で、ストレスチェックを毎年実施している企業では実施前と比較して、メンタルヘルスの不調を訴える従業員の割合が5分の1に減少したという回答がありました。
ストレスチェック助成金の内容と必要になる書類
ストレスチェック助成金を受け取るためには、「ストレスチェック助成金支給申請書」が必要。添付書類としては、下記の書類が必要です。
・医師との契約書のコピー
・医師であることを証明する書類のコピー
・ストレスチェック実施者の要件を備えていることを証明する書類のコピー(医師であることを証明する書類のコピーと異なる証明書が必要な場合のみ)
・ストレスチェック実施報告書
・ストレスチェックに係る医師による活動報告書(ストレスチェックに係る医師による活動を行なった場合のみ提出
・ストレスチェック実施者へ支払った領収書のコピー(銀行振込の振込明細書は不可)
・医師へ支払った費用の領収書のコピー
・労働保険料一括納付に係る証明書(本社などが労働保険料を一括納付している場合のみ)
・振込先の通帳コピー(振込先の名義、支店名、口座番号が確認できるもの)
・支給要件確認申立書
・ストレスチェック助成金支給申請チェックリスト兼同意書
・事業場宛ての返信用封筒
各様式のフォーマットやチェックリストは、独立行政法人労働者安全機構のHPからダウンロードできます。
今回のまとめ
今回は、メンタル悪化を防げるストレスチェック制度について解説しました。職員のメンタルヘルスケア意識が上がったり、職場環境を改善できたりするため、必ず毎年行うことが大切です。