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2023.08.10
介護職における外国人技能実習制度とは?目的や実習内容の詳細
少子高齢化によって介護が必要な方が増えていますが、一方で介護業界も労働者の高齢化や賃金の低迷などで人手不足が続いています。そうした人材不足解消と、国際貢献のための制度が海外から技能実習生を受け入れる、外国人技能実習制度です。
人手不足に悩む企業にとっては喜ばしい制度ですが、受け入れの要件やルールがあり、場合によっては対象外となってしまうケースもあるため注意してください。
ここでは、介護職における外国人技能実習制度の目的や内容について解説します。
国際貢献を目的につくられた外国人技能実習制度
外国人技能実習制度は、日本企業が海外から技能実習生を受け入れ、日本で教育することにより外国人労働者の技能向上を促す仕組みです。この制度は外交関係の改善や国際貢献、国内の労働力不足の解消による日本企業の生産性向上を目的として、1993年に創設されました。
実習生の受け入れ方法は、企業単独型と団体監理型の2種類があります。
企業単独型は、日本の企業が海外の現地法人などで技能実習生を受け入れる方法であり、あくまでもその企業のみで完結する方法です。
一方、団体監理型は事業協同組合などの監理団体を通じて技能実習生を受け入れる方法で、今回ご紹介する介護業界はほとんどが団体監理型での技能実習です。
介護職における外国人技能実習生の受け入れで注意すべきポイント
介護職における技能実習生の受け入れにあたっては、介護業界特有の様々なルールがあるため注意しなければなりません。ここでは、「受け入れ施設の対象範囲」と「受け入れ人数の制限」について解説します。
技能実習生を受け入れられる、介護福祉士国家試験の実務経験対象施設と定められていますが、技能実習生の人権擁護などの観点から訪問系サービスは対象外です。さらに、経営の安定性を鑑みて、事業所として設立後3年以上が経過している必要があります。
技能実習生の受け入れ人数は事業所の常勤介護職員の総数によって定められており、一般の実習実施者で常勤介護士が301人以上であれば、第1号技能実習生は常勤介護士の20分の1までとしています。
詳細は下記の厚生労働省の資料をご確認ください。
参考:厚生労働省 社会・援護局【技能実習「介護」における固有要件について】
技能実習の教育内容と時間数
技能実習の教育内容と時間数は厚生労働省が要件として定めており、介護職固有の要件が存在しています。
日本語の学習は講義の総時間数が240時間以上であることが求められ、発音や読解などの科目で細かく時間が割り振られています。基本的には受け入れ2年目に日本語能力試験N3以上を取得するのが要件です。
介護導入講習では、コミュニケーションや食事、排泄などの介助方法を学ぶ講義が合計で42時間以上であることが求められ、講師は介護福祉士養成施設の教員や、介護の領域福祉系高校の教員として経験があるなどの要件が存在します。
今回のまとめ
人手不足が深刻な介護業界において、国内だけでなく海外の労働力にも目を向けてみることは非常に重要です。外国人技能実習制度の仕組みを理解し、技能実習生を受け入れることで、人材不足の解消やさらなる事業の発展に繋げられるでしょう。