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2023.08.10

終末期の患者の精神的支援とケア方法

人は誰でも人生の最期は平等に訪れます。後悔を残さないためにも、患者本人も最期をどこでどのように過ごすのかが大切です。住み慣れた環境で最期を迎えたいというニーズが高まり、介護施設や自宅といった病院以外の場所での看取りが注目されています。精神的にも心身的にも最期の瞬間を穏やかに迎えるために、介護の現場に求められることはどのようなことなのでしょうか。
ここでは、終末期の患者に対する精神的支援とケアの方法を詳しく解説します。

介護する側はこまめな声かけを心がける

終末期を迎えた患者は不安や恐怖を抱えている方が多く、精神的に不安定になることも少なくありません。不安や恐怖の感情に寄り添うことも、介護に求められる役割の一つです。「今日のご気分はいかがですか?」「お天気がいいですね」など、気分が明るくなるような声かけをしてあげてください。
患者本人だけではなく、家族のケアも不可欠です。日頃からしっかりとコミュニケーションを取って信頼関係を構築し、家族に対してもこまかなサポートができるようにしておきましょう。

終末期の患者に対しては孤独感を感じさせないように寄り添う

終末期の患者は、死を意識することで孤独感を感じやすくなります。遺される家族のことを思ったり、自身の最期を考えると不安や恐怖で冷静な状態ではいられません。
こうした不安や恐怖に寄り添い、話や悩みに耳を傾けることも介護に求められる大切な役割です。患者に孤独感を感じさせないように、その時々の気持ちに寄り添いましょう。
好きな音楽を流す、家族の写真をベッドの周辺に飾るなど、穏やかな日々を過ごせる環境を整えることが大切です。

どこで最期を迎えたいか本人の意思を尊重することが大切

最期の場所をどこにするのかによって、ケアの方法や介護方法は変わります。本人の意思決定が可能なら、家族と十分に話し合って決めることが大切です。時間的、経済的なことも考慮する必要があります。
「病院」「自宅」「介護施設」それぞれの特徴やメリットデメリットをご紹介します。

病院

病院での終末期ケアは、一般病棟の中の専門病棟や療養型病院などで受けることができます。医師や看護師が常駐しているため、急な容体変化にも対応できるため安心です。
家族の負担が軽減できることがメリットですが、費用がかり容体の急変によって家族が看取ることができない可能性があるなどのデメリットがあります。

自宅

残された時間を、長年住み慣れた自宅で迎えることができるのは本人にとって最良のことでしょう。必要に応じて、医師や看護師のサポートを受けながら過ごします。
家族と長く時間を共有できることが最大のメリットです。費用面も大幅に抑えることが可能でしょう。しかし、家族の介護負担は大きくなります。訪問介護などの介護サービスを上手に利用して、少しでも負担を軽くする工夫が必要です。

介護施設

介護施設は、介護スタッフや医師・看護師が24時間対応可能です。病院と同じように、家族の負担が少ないことがメリットですが、費用面や一緒に過ごす時間があまり望めないこと、すぐに駆けつけることができないなどのデメリットがあります。

今回のまとめ

終末期の患者は、精神的にも心身的にも変化が大きく気分も落ち込みやすくなります。孤独感を感じさせることがないように、穏やかな日常を過ごせるような工夫を心がけましょう。できる限り患者本人の希望に沿える形に近づけるように、早い段階から話し合っておくことも大切です。