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2023.08.16

介護業界は良くなっている?介護業界における働き方改革とは

高齢化が加速する中、介護業界の市場規模は拡大する一方です。利用者の自立度合いに合わせて柔軟に支援する仕事だけに、AIが発展しても奪われない仕事とされています。介護業界がますます良くなるためには、働き方改革を推進していかなければなりません。ここでは、勤務形態や環境や給与などの側面から、現場で始まっている働き方改革の事例をご紹介します。

分業制を徹底した業務負担の軽減

働き方改革において、正規雇用の介護職に対する分業制の徹底は重要な要素の1つです。介護職の仕事には、身体介護など利用者と接する仕事と、掃除や洗濯、レクリエーションの企画・運営、事務作業などの仕事に分けられます。介護職は介護業務のみに専念できるよう、それ以外の仕事を無資格のパートや外部事業者に委託し、介護職の業務を明確化します。
チーム内でも分業制は実施可能です。メンバーが得意とする分野などに応じて業務を分担します。例えば、高度な介護スキルを持った介護スタッフはケアを行い、管理マネジメントに長けた人は事務を担当することも考えられます。
介護記録や事務処理を他人に委託することもできますが、デジタル化を進めることで情報の共有や効率的な業務遂行が可能です。
介護業務に集中できるように、仕事の分業制を徹底することで、業務負担を軽減できるでしょう。

多様な勤務形態の導入による人材確保

正規雇用の介護職は日勤以外にも夜勤をこなす必要がありますが、非正規雇用の勤務形態は多岐にわたります。日中だけ、土日のみ、夜勤専門、短時間パートなど、自分のライフスタイルに合わせた勤務形態が選べることが魅力です。正規雇用にも多様な勤務形態を導入することで、人材確保がしやすくなると考えられています。
介護職は女性の割合が高く、家庭との両立を支援するために時短勤務制度を導入し、女性のニーズに応えることが可能です。
事務作業など在宅で行える業務を増やすことで、より柔軟に働けることもあります。人手不足でシフト制が回らなくなる経験をした方も多いかもしれませんが、シフト制を見直し、自分の生活リズムに合わせた勤務ができるよう配慮することが求められているのです。

労働環境や給与面に関する抜本的な改革が必要

介護現場は慢性的な人手不足のため、有給休暇が取れない、残業が多いといった労働環境が常態化していることもあります。給与面への不満も依然として高く、収入が少ないことを理由に離職する人も少なくありません。
労働環境や給与面に関する抜本的な改革が求められている中で、少しずつですが改善の動きが始まっています。介護機器の導入や国の特別処遇改善加算などが具体例として挙げられます。
利用者の移動や持ち上げなどは介護職の身体的負担が大きいため、電動リフトや体位変換ができるベッドを導入している施設もあれば、働きやすい職場にしようと、酸素カプセルやマッサージ機などを導入している施設もあります。
また、国は2019年10月から、キャリアが豊富な介護職員の給料を月額8万円アップ、もしくは年収440万円以上に改善する特定処遇改善加算を実施しています。

今回のまとめ

従来の介護現場は人手不足の影響もあって、介護職一人当たりの負担が大きく、労働環境や給与が改善されにくい状況でした。働き方改革は悪循環の鎖を断ち切り、介護職が働きやすい環境を整備するきっかけとなっています。