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2023.08.16

2023年から変わった介護福祉士国家試験の出題基準や内容は?

例年1月から筆記試験が始まる介護福祉士国家試験ですが、2023年1月の国家試験から出題基準や内容が変わることが発表されました。過去問などを使用した対策が難しくなるため、出題基準や内容をしっかり理解して臨む必要があります。
ここでは、2023年1月から変更された介護福祉士国家試験について詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

参考:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
https://www.sssc.or.jp/kaigo/gaiyou.html

2023年から追加された介護職に必要なチームマネジメント能力とは?

試験科目で大きな変更点となっているのは、「人間関係とコミュニケーション」の科目へ追加された「チームマネジメント」です。
これは、地域や施設内で他職種とチームを組んで介護を展開する重要性を問う内容です。具体的には以下の4つが中項目として挙げられています。
・介護サービスの特性
・組織と運営管理
・チーム運営の基本
・人材の育成と管理
変更点があるとはいえ、領域「人間と社会」からの出題予定数は18問となっているため、チームマネジメントからの出題問題数が著しく増える訳ではありません。しかし、新たな出題内容となるため過去問題での対策が難しく、今後の情報収集と学習が重要です。

介護福祉士国家試験で認知症ケアの能力がより重視されるようになった理由

他の変更点には、認知症ケアの能力を重視するようになり、認知症ケアに関する出題問題数が増えることが挙げられます。
認知症ケアを重視する理由の一つが、認知症患者の増加です。認知症の患者数は年々増加傾向にあり、厚生労働省によると、2025年には認知症の有病率は19.0%、約5人に1人が認知症になると予測されています。高齢化が進み、認知症患者の数がますます増加することから、介護福祉士国家試験で認知症ケアの能力を重視するようになったのです。
認知症ケアに関する設問は約10問程度あり、これらの問題で点数を落としてしまうと、合格までの道のりが遠くなる可能性があります。また、今後も認知症患者が増加するとの予測から、当分の間は介護福祉士国家試験で認知症ケアを重視する傾向が続くかもしれません。2023年の試験を受験しない方も、今のうちから、認知症ケア分野の学習を深めておくことをおすすめします。

介護職とも大きな関係がある日本の介護福祉の現状に関する問題の特徴

現在、介護現場では様々な課題が存在しており、これらの状況に関しても試験で問われる可能性があります。例えば、以下のような課題です。
・高齢者の介護需要の増加
・介護職員の人手不足
・待遇改善の必要性
・施設不足の問題
・要介護者への虐待の増加
これらは社会問題でもあり、日本の介護福祉の現状について理解しておくことは、試験の対策としても重要です。厚生労働省は日本の介護福祉の現状に関する教育への取り組みを強化する方針ですので、将来的には上記に関する問題数が増加する可能性もあり、注視する必要があります。

今回のまとめ

介護分野の教育が見直され、2023年1月の介護福祉士国家試験から問題の内容が変更されました。過去の試験問題を参考にすることができないため、対策にはさらに追加の学習が必要になるでしょう。また、問題の割合についても今後変動する可能性があるため、2023年以降に介護福祉士国家試験を受ける方は、今後の傾向について注意深く観察する必要があります。