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2023.08.16

介護職の看取りに関する職員研修を受ける目的とは?

特別養護老人ホームや介護老人保健施設、有料老人ホームなどの介護施設で、看取りケアを実施する施設が増えてきました。看護師がいない介護施設でも、利用者が「自分らしい最期」を迎えられるよう、介護職が「看取り」に関する正しい知識を身に付けておく必要が高まっています。
ここでは、介護職の看取りに関する職員研修を受ける目的や研修内容などについてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

介護職の看取りに関する職員研修を受ける目的とは?

看取りとは、無理な延命治療を行わずに、自然に訪れる最期までの過程を見守ることで、身体的苦痛や精神的苦痛を緩和・軽減しながら、尊厳ある死を迎えられるようにサポートすることを看取りケアと呼んでいます。
厚労省の死亡統計によると、病院での死亡が自宅での死亡を上回ったのが1975年ごろで、最近では8割以上の人が病院で死を迎えていますが、介護施設で亡くなる人が近年急増しています。※出典:厚生労働省 第3回在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ資料16ページ(死亡の場所の推移)
介護施設での看取りが今後増えていくことが予想される中で、介護施設で働く職員全員が、看取りに関する正しい知識を身に付けることが不可欠です。
看取りに関する職員研修は、介護施設で利用者が自分らしい生活を続けながら、尊厳ある最期を迎えられるために看取りケアに関する正しい知識を習得することを目的としています。

看取りケア研修を通じて実践力を高める目的もある

2021年の介護報酬改定で、看取りケア加算に対する新たな枠組みが算定されました。現行の死亡日以前30日前からの算定に上乗せする形で、死亡日45日前~31日前についての算定区分が新たに追加されたのです。これまでの取り組みに対する評価であると同時に、今後増加していく介護施設での看取りケアを後押しする意味も込められています。
看取りケア研修では、介護職員一人ひとりが「死」に対する考え方を見つめ直した後、施設としての共通認識を確認し、看取りケアの事例を通じて、実践力を高められるように段階を踏んで行うのがポイントです。
「個人・組織・実践」の流れで体系的に研修を行うことで、施設全体で看取りケアに関するレベルアップを図ることが可能です。

看取りケア研修は介護職の法定研修ではないがこれからの高齢社会には必須

看取りケア研修は介護職の法定研修ではありませんが、今後の高齢社会には必須の研修と言えるでしょう。
研修を行う場合、介護職だけでなく、施設で働くさまざまな職種の職員と一緒に行うことが理想です。介護職だけで行うと、その職種の考え方が強く反映されてしまいがちです。多面的な意見を聞ける研修にすることで、多くの職員が納得できる研修になります。
看取り研修を受講した後は、アウトプットの機会も作ってください。研修で理解したつもりになっても、実践で活かせられなければただの自己満足で終わってしまいかねません。
看取りケアは組織としての共通認識を持ち、ガイドラインを作成することが求められています。

今回のまとめ

今後ますます介護施設で人生の最期を迎える人が増えることが予想されている中、介護職が看取りに関する正しい知識を身に付けておく必要が高まっています。看取りケア研修では、施設で働く様々な職種の職員と一緒に行い、組織としての共通認識を持つことが重要です。看取りケア研修をより効果的に行い、実践力を高めましょう。