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2023.08.16

介護現場におけるヒヤリハットの主な原因は?

介護現場では事故には至らなかったものの、「ヒヤッ」としたり、「ハッ」と息をのんだりする事例に出くわすことがあります。ヒヤリハットとは事故につながる可能性のある事例のことで、大勢の利用者が同居する介護施設では思わぬところに事故やトラブルの原因が潜んでいるため注意が必要です。
ここでは、介護現場におけるヒヤリハットの原因と対処方法をご紹介します。

介護スタッフが利用者や家族とのコミュニケーション不足で起こるヒヤリハット

1つ目のヒヤリハットとして挙げられるのが、利用者や家族とのコミュニケーション不足で起きるものです。例えば、利用者がベッドの手すりに腕をぶつけてできたあざについて、家族に説明することを忘れ、虐待を疑われたケースがあります。
骨折や切り傷、捻挫といった怪我に至らなかった場合、詳細を家族に報告する必要は原則としてありませんが、このケースでは、家族から指摘される前に事情を説明し、施設内でヒヤリハット報告書をまとめて情報共有を行うべきでした。
入浴時におぼれかけた、車いすから立ち上がる際に転倒しそうになった経験がある介護スタッフもいるかもしれません。
小さな事故が起きた場合はもちろんですが、事故につながる危険を感じた場合、気になる点を見つけた場合などは、介護スタッフで情報共有することが大切です。

設備や器具の不具合など環境やシステムによるヒヤリハット

施設内の設備や器具の不具合など環境やシステムが原因のヒヤリハットも存在します。車いすからベッドに移動する際に高さが合わなかったため、利用者を持ち上げたところ、介護スタッフが腰を痛めた事例も報告されています。他にも、手すりがなくて転倒しそうになった、廊下の小さな段差でつまずきそうになったなども良くある事例です。
危ない場所がないか常に目を光らせ、ヒヤリハットが起きやすい環境を介護スタッフが共有し、必要があれば設備を整えることが求められます。
バリアフリー化はもちろん、ベッドの高さや形、廊下や居室の手すりの位置など、安全性を十分に考慮し環境や設備を整えている施設であれば、ヒヤリハットは未然に防げるかもしれません。
また一度改善されたとしても、利用者の状況に変化があれば、再び改善が必要となるケースもあります。

病状や体調変化の見逃しなど利用者の状態や状況によるヒヤリハット

3つ目のヒヤリハットは、病状や体調変化の見逃しなど利用者の状態や状況によるものです。例えば、足が不自由という利用者には、杖があれば自力で歩行できる方もいれば、車いすを利用している方、寝たきりの方などがいます。
排泄や食事を一人で行うのが困難な利用者には、身体に障害がある方もいれば、認知症の方、脳や神経に障害がある方などがいるため、介助方法を変える必要があります。また、利用者の性格によっても、声のかけ方や接し方を変えるケースもあるでしょう。
介護スタッフは利用者の心身の状態、できることや生活スタイルなどをしっかりと把握した上で、最適なケアを行うことが求められています。

今回のまとめ

ヒヤリハットとは、事故につながる可能性のある事例のことです。ヒヤリハットの起こる原因には、利用者や家族とのコミュニケーション不足、施設の環境やシステム、利用者の状態による変化などが挙げられます。ヒヤリハット事例を介護職員で情報共有し、事故防止に繋げるためにもヒヤリハットへの感覚を研ぎ澄ませることが大切です。