お知らせ・コラム Column
Column
2023.08.24
介護難民に対して現実的に国が進めている介護対策とは?
今後、国内は高齢者の割合が増加するため、今まで以上に介護職の重要性が高くなります。しかし、要介護認定者数に対して介護職員が不足しているのが現状です。
ここでは、介護職員の不足を解消するために政府が取り組んでいる施策と、実際に介護職に転職する際に重要なポイントをご紹介します。
介護業界の需要拡大に向けた政府の施策とは?
厚生労働省が令和3年に発表した、「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数」では、2023年度には全国で約233万人の介護人材が必要と予想されています。必要人数はその後も増加し、2025年度には約243万人、2040年度には約280万人となる見込みです。
しかし、令和元年度時点で、要介護認定者数が667万人いるのに対し、介護職員数は210万6000人となっていることからもどれくらい人材が不足しているか分かるでしょう。また、要介護認定者数も今後は増加すると予想されており、最も多い2040年には956.7万人で、今後20年で約1.5倍に増加する見込みです。
このような状況に対して、政府は介護職員・高齢者それぞれに対して施策を行っています。
まず、介護職員の確保に対して、「介護離職者ゼロに向けた取り組み」として、介護職員の処遇改善や介護者の身体的負担軽減のため、介護ロボットやICTの活用を促進しています。その他にも、「中高年齢者の介護業界への参入を促進」として、研修費用の援助・シルバー人材センターなどとの連携強化や、国内だけでなく、「外国人の介護人材の受け入れ」も今まで以上に積極的に行っていく方針です。
また、高齢者に対して少しでも要介護者にならないように、地域の住民同士が気軽に集い、一緒に活動内容を企画し、ふれあいを通して「生きがいづくり」「仲間づくり」の輪を広げる場所である「通いの場」を設置し、地域における介護予防を促進しています。
介護職の転職における資格取得の重要性
介護職の転職にあたっては、介護福祉士などの資格を取得しておくことが重要です。
介護業界は、無資格者や未経験者を歓迎している求人も数多く存在しており、介護の仕事を行うにあたって資格取得は必ずしも必要はありません。
しかし、介護職の中で唯一の国家資格である介護福祉士を取得していれば、それだけで介護業務を行うにあたって必要な知識や技術を一定以上持っていることを証明できます。介護職員が不足している施設が多い中、即戦力として働けることを証明できるのは非常に重要です。
また、介護福祉士を取得していれば、勤務先は老人ホーム・グループホーム・介護療養型ホーム・デイサービス・デイケアなどの施設や訪問介護など介護職全般で活躍できます。
就職後も、利用者やその家族への介護だけでなく、現場では中心的な立場になり、ヘルパーや介護職員にアドバイスや指導を行うことが期待されるため収入面の向上も期待できるでしょう。
ただ実際、介護福祉士は誰でも取得できるような簡単な資格ではありません。そんな方には、「介護職員初任者研修」や「介護職員実務者研修」など取得しやすい資格を得てから転職活動することで、採用される可能性が大きく変わるはずです。
介護職の転職を成功させるためのポイント
介護職だけでなく転職する際は、採用されることが最終目標ではなく、転職後に満足して働くことができることが最も重要です。
そのためには、まず自分が働く「施設形態」を明確にすることが大切です。介護職で働くといっても、訪問介護・施設職員など多くの施設形態があります。
同じ利用者さんに介護するにあたっても、訪問介護であれば1対1の個別援助になるため、丁寧なサービスの提供が可能です。また、施設職員であれば、複数のスタッフで利用者さんに介護を行うため、自分では気付かなかった変化点にも気付くことができるなどそれぞれにメリットがあるため、自分がどのように働きたいか整理する必要があります。
今回のまとめ
今回は、介護難民に対して現実的に国が進めている介護対策と介護職の転職を成功させるポイントをご紹介しました。介護職の人材が不足しているため、介護職員は貴重な存在ですが、どのような人でも採用される訳ではありません。介護を行うにあたって一定の知識や技術は必要なため、「介護職員初任者研修」「介護職員実務者研修」「介護福祉士」などの資格を取得しておくことは非常に重要です。
実際に転職するにあたっても、訪問介護・施設職員では働き方も大きく異なるため、現在の自分にとって、どのように働きたいか整理してみることをおすすめします。