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2023.08.25
介護記録はなぜ必要?介護職が知っておくべき介護記録の重要性とは?
介護職員として働く際には、介護記録をつける必要があります。日々の業務に追われる中で、書類作成は負担に感じられるかもしれませんが、介護記録は義務であり、介護の現場において非常に重要な文書です。ここでは、介護記録の重要性を理解していただくために、介護保険法における介護記録の位置付けと、介護記録をつけるメリットについてご紹介します。
介護保険法における介護記録の位置づけとは?
介護保険法は、介護や支援が必要な方々が安心して日常生活を送るために、社会全体で支え合う制度に関する法律です。要介護の状態でも、自立した生活を続けられるように、介護にかかる費用や給付金、介護認定についての規定が含まれています。また、介護記録をつけることも、介護保険法により義務付けられた業務です。
記録の仕方にはルールはなく、所定の用紙に記入したり、アプリやタブレットを使ったり、事務所によって様々です。介護記録は、介護職員がどのようなサービスを行い、利用者の体調や様子がそのように変化したかを記録します。介護記録で最低限必要となる内容は、介護サービスを行った日付・時間・場所、介護サービスの内容と利用者の健康状態、利用者の心身の状態、介護サービスを行った介護職員の名前です。
現場で提供した介護サービスの証明になる
介護記録をつけることで、現場で提供した介護サービスの内容を証明できます。そのことで得られるメリットとして、次のようなものがあります。
利用者の家族との情報共有ができる
介護施設と利用者の家族との間で情報共有を密に行うことで、家族が自宅にて利用者の健康状態に適した対応ができます。しかし、情報共有を怠ると、適切な配慮ができず、病状が悪化したりそのことが原因で、家族との間でトラブルが発生したりする可能性もあるでしょう。家族との情報共有に役立つのが、介護記録です。
介護サービスの向上が図れる
提供したサービスによる健康や心身の状態の変化が分かり、利用者のニーズも明確になります。ケアマネジャーや担当医師に提供する資料にもなり、介護記録から、介護サービスの課題や問題点を把握することも可能です。より適切なケアプランを立てられるようになり、結果として介護サービスの向上も図れます。
現場での事故の回避につながる
介護の現場では、転倒、転落、滑落、誤嚥、誤飲、むせこみなどのトラブルが発生する可能性があります。事故や事故を巡るトラブルの回避に役立つのが介護記録です。その理由を解説します。
再発防止に役立つ
起きてしまった事故はどうすることもできませんが、再発は防止できます。介護記録を確認すれば、事故が起こった原因を明確にでき、未然に防ぐための対策を講じることも可能です。また、同じような事故が起きたときには、より迅速に適切な対応ができるように、マニュアルを作成し周知徹底が行えます。
対応が適切だったことを証明できる
利用者が命を落としたり、大きなケガを負ったりすると、訴訟に発展するケースも少なくありません。事故が発生した直後には、警察や家族から適切な対応を行ったのか確認されます。その際に、介護記録は証拠となり、訴訟でも資料として重要です。
今回のまとめ
介護記録をつけることは、介護保険法で定められている義務です。介護記録は提供したサービスを記録するだけでなく、家族との情報共有や介護のサービス向上、事故の再発防止にも役立ちます。トラブルが訴訟に発展した際は、介護記録は適切な対応を行ったことの証拠にもなるため、介護の現場で大変重要な書類です。