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2023.08.28

介護の基本的な技術である排泄介助に関して知っておくべきこと

介護において食事介助や入浴介助は重要ですが、排泄介助は1日に行う回数も多く、尊厳を守るための配慮や衛生管理が必要です。利用者が不快に感じずに、排泄介助を行うためには、どのような点に気を付ければ良いのでしょうか。ここでは、介護の基本的な技術とも言える排泄介助について、介護者が知っておきたいポイントを解説します。

排泄介助をしやすいタイプのトイレとは

排泄介助では、利用者の身体機能の状況に合わせたタイプのトイレを選ぶ必要があります。一般的なトイレ設備では、洋式トイレと和式トイレが挙げられますが、排泄介助をしやすいのは洋式トイレです。
洋式トイレは腰をかけられるため、足の筋力が低下した高齢者でも排泄しやすく、車いすからの移乗を比較的楽に行えるのがメリットです。車いすを便器の近くまで寄せられるほど間口が広く、トイレ内に介護者が入れるスペースがあるとなお良いでしょう。
また、洋式トイレならば便器を囲むように設置する手すりも活用できるため立位が安定しやすく、排泄介助中の転倒を防ぎやすくなります。

排泄介助で介護される人の気持ちを考えなければいけない理由

排泄介助を必要とする状態になると、利用者は「排泄している姿は見られたくないけれど、手伝ってもらわなければならない」というジレンマを抱えます。自立して排泄を行えない利用者の介助には、外から見えないようにしてできる限りプライバシーを守りつつ、できることは自分でしてもらうなど、利用者の尊厳を損なわないような配慮が必要です。
生活全般にわたる介助が必要な利用者の場合でも、排泄介助の際には特に利用者とのコミュニケーションを大切にしましょう。急がせたり、失敗を攻められていると感じたりしないように、配慮と思いやりを示して安心感を持ってもらうことが重要です。
必要に応じて排泄物の観察はさりげなく行いますが、特に認知症で判断力が衰えている利用者の排泄介助では、介護者が排泄物の状態や量をチェックする必要があります。

ベッドから移動できない人の排泄介助をする方法

ベッドから起き上がれない人の排泄介助では、おむつの中に排泄する方法と、尿器や便器などを使って排泄介助をする方法があります。そのため、特別な技術と配慮が必要です。
横になっている状態では腹圧をかけにくく、排便が困難となることも多いため、利用者が楽な姿勢になるように、サポートしながら適切な位置に調整しましょう。尿器や便器を使用する場合には、タオルを敷いてシーツの汚染を防ぎ、便器や尿器をしっかりあてるのがポイントです。排泄が終わったら必要に応じて部分清拭を行います。
ベッド上での排泄介助を要する人には体圧分散を考慮し、介助後に衣類やリネンを整えることも大切です。特に、自分で寝返りを打てない方は、床ずれを予防するためにも必ず行ってください。
また、ベッドが生活の場になっていますので、排泄介助後には換気を含め十分な衛生管理が必要です。

今回のまとめ

排泄介助は重要な介護技術の1つであり、利用者の身体的なサポートと尊厳を守る配慮が求められます。そのため、介護職には、利用者への心遣いと適切な介護技術や観察力が欠かせません。また、ベッドから移動できない人や判断力のない人への排泄介助では、特別な配慮が必要です。