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2023.09.04

介護職の夜勤回数の上限は?法律的な決まりと変形労働時間制

介護業界で働く際に、24時間体制でサービスを提供する施設では、夜間に勤務する「夜勤」があります。夜勤は通常の生活リズムを逆転させるため、体力的・精神的な負荷が大きいとされていますが、深夜手当などの手当が加算されるため、夜勤を希望する方もいるかもしれません。ここでは、介護職の夜勤勤務について法律で定められた上限についてご紹介します。

介護職の夜勤には回数の上限がない

基本的に介護職で老人ホームや特別養護老人ホーム等の施設で勤務した際に、夜勤の回数の上限はありません。
労働基準法では夜勤は22:00~翌5:00の7時間を指していますが、施設によっては勤務形態を2交代または3交代としている場合は夜勤の勤務時間が前後することもあるようです。介護業界に限らず、22:00~翌5:00までの時間帯は深夜手当が支払われるため、「少しでも収入を増やしたいので夜勤の数を増やしたい」と考えている方もいます。
しかし、介護施設の勤務形態には「2交代制」「3交代制」があり、そして夜勤がある施設では夜勤のみの勤務をする「夜勤専従」があり、夜勤の回数は勤務形態によって規定があります。そのため、自分が入りたい時だけ夜勤をするという訳にはいかないのです。

「労働基準法」「変形労働時間制」「夜勤協定」による制限がある

介護職での夜勤は回数に上限はありませんが、「労働基準法」「変形労働制」「夜勤協定」の3つにより制限があり、勤務形態によって適用されます。労働基準法では基本的に「1日8時間」の労働時間が決められていますが、2交代制の施設では夜勤の勤務で16:00~翌9:00の16時間勤務になることがあります。これは1週間の労働時間が40時間以内であれば1日8時間を超える勤務が可能になる、「変形労働時間制」が適用されるため16時間勤務が可能になるのです。
また、変形労働時間制には特例があり、「特例措置対象事業場」には週44時間まで勤務が可能で、介護施設や病院は該当するため1回の夜勤の時間が長くなります。
日本医療労働組合連合会が2020年に発表した調査結果によると、介護施設の約80%が2交代制を導入しており、施設の規模によって異なりますが1カ月に約5回前後の夜勤があるようです。
その他に、施設側と1カ月の夜勤に関する基準を定めた「夜勤協定」を結んでいる場合も、労働時間の規定はありますが夜勤の回数に上限はありません。

好きな時に好きなだけ夜勤に入るという働き方はできない決まり

介護施設では基本的に夜勤の上限はありませんが、勤務形態により夜勤の平均的な回数は異なります。
夜勤専従では、夜勤のみ勤務だと思われがちですがそうではありません。なぜなら、夜勤専従には16:00~翌10:00の「ロング夜勤」と、22:00~翌5:00の「ショート夜勤」があり、ロング夜勤の場合は1度の出勤で2日出勤した計算になるため、変形労働時間の規定では月に10日程度しか勤務できない計算になります。
3交代勤務を導入している勤務では、早番、遅番、夜勤の3パターンを8時間ずつローテーションで勤務します。3交代制は2交代制に比べると1回の勤務時間が短くなるため、夜勤の日数が若干多い傾向があり、施設によっては若干の違いはありますが、5.8回が平均です。そのため、ご自身の都合で好きな時だけ夜勤をすることはできません。

今回のまとめ

介護施設では勤務形態が2交代制、3交代制、夜勤専従があります。夜勤の回数は基本的には回数の上限はありませんが、施設での勤務形態と労働基準法や変形労働時間制、夜勤協定の3つの規定により決定するのが一般的です。
また、どのような種類の介護施設で働くのかによっても夜勤の時間が異なります。夜勤のある介護施設を選ぶ際には、自分に合う働き方ができる施設を選びましょう。

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