全国の介護・福祉資格講座を検索・申し込みできるフクシカサーチ「お知らせ・コラム」ページ

メニュー

Column

お知らせ・コラム

Column

2023.09.06

知っておきたい介護福祉士の受験者数の現状

介護職の仕事をする際に取得できる唯一の国家資格が介護福祉士です。介護福祉士の資格を持っていると、介護に関する一定の知識や技能を習得していることを証明できるので、介護職に就いている人はぜひ取っておきたい資格と言えるでしょう。ここでは、介護福祉士の受験者の人数や傾向について詳しく紹介します。

介護福祉士の受験者数は7万人以上もいる

介護福祉士を受験するためには要件を満たしていなければいけません。介護福祉士法の改正前は、介護業務の実務に3年携わっている人であれば試験を受験できました。また、2年以上の養成施設を卒業した場合も介護福祉士の資格を取得できます。
しかし、法改正後は実務3年に加えて600時間(6か月)以上の実務者研修の受講が義務付けられました。
介護福祉士の受験要件が厳しくなったわけですが、これによって受験者数は近年減少傾向にあります。

近年は受験者数が減少傾向

介護福祉士の受験者の直近の数を見てみましょう。2023年1月の第35回の筆記試験を受けたのは、7万9,151人でした。第34回は7万3,082人だったので3,931人減っています。第34回よりも減ってはいますが、7万人以上の人が介護福祉士の資格を取得するために受験しています。
介護福祉士の資格は、比較的簡単で取得しやすいといわれていますが、法改正によって受験資格の要件が以下の4つのどれかの要件を満たしていなければ受験ができなくなりました。
・養成施設ルート:要件を満たした大学や専門学校を卒業した
・実務経験ルート:介護施設などで実務経験が3年以上あり指定の研修を受講した
・福祉系高校ルート:福祉系の高校を卒業後講習などの要件を満たす
・経済連携協定(EPA)ルート:外国人向けのルートで実務と講習をこなす
現在は、実務経験ルートで介護福祉士の受験をする人が最も多くなっています。

参考:厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32019.html

受験者数の約7割を女性が占める

介護福祉士の受験者の男女比率を見ると、約7割が女性です。これは、介護福祉士に求められる役割も影響していると見られます。
介護福祉士は、認知症の症状に応じた対応や医療またはリハビリの必要性が高い人への対応、障害の特性に応じた対応、終末期のケアや看取りの対応、複合的な支援ニーズが必要な家族への対応などの役割を果たします。
利用者だけではなく家族のケアなども行うため、実生活でも介護に対応する機会が多い女性が積極的に受験していると予測できるでしょう。

受験者数で最も多いのは40代

受験者数で最も多い年代は40代です。30代〜50代までと合わせると63%になります。10代や20代の若い世代の受験者数が少ないのは、実務経験ルートで介護福祉士を受験する人が多いためで、すでに社会人として介護職の仕事に従事している年齢層が反映されているからです。
大学や専門学校などの養成施設出身の受験者が少なく、介護職についている人がキャリアアップのために受験することが窺えます。今後は若い世代の受験者数をどのようにして増やすかが課題となってくるでしょう。

今回のまとめ

介護福祉士の受験者数は近年減少傾向にあるとは言え、7万人以上の人が受験しています。すでに実務についていてキャリアアップのために資格取得を目指す人が多く、最も多い年齢層は40代です。また、性別では女性の受験者数が約7割を占めています。
10代や20代の学生や若い世代の受験者数が少ないため、今後は若い人材の確保が課題と言えるでしょう。