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2023.09.07
同行援護従業者になるには資格が必要!資格の取得方法とは
同行援護従業者とは、視覚障害者の方の生活をサポートするための資格の一つです。外出先で視覚障害者の方に必要な情報を伝え、移動時のサポートを行うのが主な役割となっています。この資格は比較的新しいため、どのような資格なのか分からないという方も多いのではないでしょうか。ここでは、同行援護従業者になるための資格取得方法をご紹介します。
同行援護従業者とは視覚障害者の移動をサポートする仕事
これまでの国の障害者に対する政策は利用者には理解しにくく、財源の確保が困難であり、その結果、自治体ごとにサービスに格差が生じるなどの問題点がありました。これらの課題を受けて、2011年に施行された障害者自立支援法の改訂により、障害者が外出する際にサポートをする「同行援護」と「行動援護」が自立支援給付のサービスとして利用可能になったのです。
同行援護従業者は、視覚障害者の方が外出する際に、必要な情報を伝えて排せつや食事などの身の回りのサポートを行います。例えば、外出先での代筆や代読、ドアの開け閉め、階段の昇り降りなどの介助などです。
同行援護従業者になるための資格要件
同行援護従業者として働くためには資格が必要で、資格取得のためには試験ではなく、都道府県・市町村が指定した機関での研修を受講し修了しなければなりません。同行援護従業者には視覚障害者の方に同行して、直接サービスを行う「同行援護従業者」と、各関係者と連携をして調整をする「サービス提供責任者」があります。
同行援護従業者研修の受講要件は、一般過程には要件はなく誰でも受講可能ですが、応用過程は一般課程が修了していることが要件です。同行援護従業者サービス提供責任者になるには、同じように研修を受講しなければいけませんが、要件があります。介護福祉士、介護職員基礎研修修了者、居宅介護従業者養成研修1級修了者、居宅介護従業者養成研修2級課程修了者のいずれかであって、視覚障害を有する身体障害者等の福祉に関する事業(直接援護に限る)に1年以上従事経験があることです。これらのどれかに該当していることと、同行援護従業者の一般過程と応用過程の修了が義務付けられています。
都道府県が指定した機関や団体での研修を受講する
同行援護従業者研修は都道府県が指定した機関や団体で受講でき、全国の介護や福祉医療などの専門学校などで行われています。一年を通じて受講できるので、希望する方は自治体の窓口に問い合わせてみましょう。
「一般課程」は受験資格がなく、誰でも受講することが可能で、受講内容は視覚障がいの基礎知識や支援方法の基礎を学び、期間は通常3日間です。一方、「応用過程」は一般課程を修了した者もしくは移動支援従業者養成研修(視覚障害課程)修了者が対象で、受講内容は実務的な内容に焦点を当て、交通機関の利用時にどのように支援すべきかを体験を交えて学びます。応用過程のカリキュラムは計12時間で、2日に分けて実施されるのが一般的です。
今回のまとめ
同行援護従業者とは、視覚障害者の「目」となってサポートする仕事のため、この資格を持つことで、障害者施設や介護施設などで働く人には仕事の幅が広がり、キャリアアップが可能です。また、事業者も同行援護従業者を雇うことで報酬の加算を受けられるため、転職においても有利になる可能性があります。介護業界で働くなら取得しておきたい資格だと言えるでしょう。