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2023.09.11

咀嚼力や嚥下機能が衰えた人にできることは?介護職の介護食に関する資格

主に高齢者などの咀嚼力や嚥下機能が衰えてしまった方は、食べられる食事に制約があります。また、嚥下障害による誤嚥は、肺炎などの病気を引き起こすリスクが伴うため、高齢者に対して、食べやすい適切な食事の提供は重要です。介護職の方は、施設の利用者の安全を確保するためにも、介護食に関する知識を持っておくことが望ましいでしょう。
ここでは、介護食に関するメインとなる3つの資格についてご紹介します。それぞれの資格で学習できる内容や、提供できるメニューなどを解説しますので、資格取得を検討している方は資格選びの参考にしてください。

3級の介護食士の講習会で教えてもらえる介護食の基本的な知識の内容

介護食士とは、全国調理職業訓練協会が設けた認定資格です。この資格は、介護に関わる方の調理技術の向上を目的に設立され、3級から1級まであり、全ての級で72時間のカリキュラムを受講します。専門学校などの施設を利用した実習もあるため、講師から直接調理技術を学べるのが特徴です。
3級の介護食士の講習会は、25時間の学科と47時間の実習で構成されており、学科では、高齢者の身体的機能の特徴、咀嚼力の低下した方に対する食材の形状や調理法の工夫、必要な栄養素を摂取できるようにするための方法などを学びます
直接的な介護食の知識だけでなく、心理学や食品衛生学もカリキュラムに含まれているため、幅広い知識を得られるのが介護食士の講習会の特徴です。
また、後述する2つの資格と異なり、調理実習があるため、調理技術の向上も見込めるでしょう。

咀嚼力の低下した人に対し介護食アドバイザーである介護職員ができること

介護食アドバイザーとは、日本能力開発推進機構が定めている認定資格で、高齢者の身体的特徴を理解し、栄養バランスや安全性を考慮した食事作りの技術を備えていることを証明する資格です。
カリキュラムの内容は、高齢者の心身に関することや栄養学などの基本的なものに加えて、口腔ケアの方法や、口腔機能トレーニングの手法など、嚥下障害の予防や改善についても学習します。
介護食アドバイザーである介護職員は、咀嚼力の低下した高齢者の食事をより安全で快適にするために、適切な食材選定や加工、食材の形状の調整、咀嚼や飲み込みのサポートなどを行います。これらの支援を通じて、食事の面から高齢者の健康管理と生活の質の向上に貢献することが可能です。

嚥下機能の衰えた人に介護食コーディネーターが提案できるメニュー

介護食コーディネーターは、日本味育協会が発行している資格であり、実践的な知識を元に介護食の調理法が学べる資格です。
通信講座であるため、在宅受験で資格取得までを完結できますが、テキストで学びながら実際に作れるため、調理スキルの向上が見込めます。
介護食コーディネーターは、安全な食事をサポートするために、魚や肉をすりつぶしてハンバーグやつみれを作ったり、野菜を細かく刻んでスープに入れたりすることで、嚥下機能が低下した方でも食べやすいメニューを提案します。
その他にも、ペースト状におかゆや、野菜のスムージーなど、できる限り咀嚼の負担がなく、かつ栄養バランスが考慮できるメニューを作って、食事のサポートを行います。

今回のまとめ

高齢者の咀嚼力や嚥下機能の衰えは、誤嚥などを引き起こし健康リスクが高まるため、適切な介護食を提供することは非常に重要です。介護に関わる方は、食事面のサポートに関する知識を習得する必要があります。高齢者に安全な食事を提供し、健康管理と生活の質の向上に貢献するために、介護食に関する資格の取得も検討すると良いでしょう。