全国の介護・福祉資格講座を検索・申し込みできるフクシカサーチ「お知らせ・コラム」ページ

メニュー

Column

お知らせ・コラム

Column

2023.09.12

介護職必見の終末期ケア専門士とは?資格の取得方法・メリット・試験内容

今後、国内においては今まで以上に高齢化が進みます。それに伴い終末期に接する機会も多くなるはずです。そのような現状の中で介護職必見の資格として終末期ケア専門士が注目されていることをご存じでしょうか。
ここでは、終末期ケア専門士についてご紹介するとともに、資格の取得方法・メリット・試験内容を解説します。

終末期を過ごす人やその家族をサポートする介護職の専門家

終末期ケア専門士は、2020年に日本終末期ケア協会によって設立された認定資格で、終末期ケア全般の専門知識を取得して、利用者さんやその家族に対して、人生の最期まで尊厳のある生活を支えることが目的です。
今後、国内においては今まで以上に高齢化が進み、2025年には 65歳以上の高齢者数は3,657万人、2042年には3,878万人になる見込みです。
また、75歳以上高齢者の全人口に占める割合も増加傾向で、2055年には25%以上になる予測されています。
このように高齢化が進む現代社会では、「どのように自分らしい最期を迎えるか」が重要な課題となるため、終末期ケア専門士の重要性はますます大きくなるはずです。

患者さんや家族だけではなく一緒に働くスタッフに安心感を与えられる

終末期ケア専門士は、さまざまな場所で活躍できますが、その中でも介護施設において必要性が増しています。
その理由として、介護施設では介護報酬の加算項目である、「ターミナルケア加算」や「看取り介護加算」を算定するためにも、終末期ケアに詳しい介護職を求めています。
終末期ケア専門士取得時に身に付けた知識があれば、介護施設で終末期ケアの中心的な役割を担えるはずです。
仕事内容も日常のケア、延命治療に関する意思決定のサポート、家族のケアなど終末期ならではのケアを行えるため非常にやりがいのある内容です。
また、介護施設内においても、終末期のケアを経験したスタッフも多くないため、どのように対応すべきなのか悩む場面も少なくありません。そんな場面でも、終末期ケア専門士を取得していれば、適切な助言などを行えるため、一緒に働くスタッフに対しても安心感を与えることができるメリットがあります。

終末期ケア専門士に必要な知識と技術について

終末期ケア専門士は、生死を意識しながら、利用者さん、家族さんに対して日々のサポートや症状へのケアを行います。
そのため、日々におけるケアの方法から延命治療に関する意思決定のサポート、家族のケアなど、終末期ならではのケアに関する専門的な知識が必要です。
また、必要な技術においても一般的に行われる「食事や排泄のケア」「家族とのコミュニケーション」だけでなく、終末期に特化した「終末期でのチームケア」「不眠や抑うつなどの身体症状のケア」「終末期の意思決定支援」などに対する技術も必要です。
そんな終末期ケア専門士ですが、介護福祉士であれば2年、実務者研修修了であれば3年の実務経験が必要ですが、介護職員初任者研修修了や、ヘルパー2級の資格では、終末期ケア専門士の受験資格を得ることはできないため注意してください。
また試験内容は、90問の問題で、複数の選択肢から正しいものを一つ、もしくは複数を選ぶ形式となっており、合格率は65~70%程度で、やや高めの難易度の試験です。

今回のまとめ

今回は、終末期ケア専門士について、資格の取得方法・メリット・試験内容などをご紹介しました。終末期ケア専門士を取得することで、あまり経験することのない、終末期に必要な知識や技術を身に着けられます。そのため、介護施設などにおいて利用者や家族だけでなく、一緒に働くスタッフに対しても安心感を与えることができるでしょう。
資格の難易度はやや高いですが、高齢化が高まる国内において重要性はより高まると考えられ、介護職必見の資格の1つになるはずです。