お知らせ・コラム Column
Column
2023.09.19
介護と看護の違いとは?役割と職種の比較
介護の仕事を始めるにあたり、介護と看護の違いを理解しておく必要があります。食事や入浴のサポートなど、身の回りのお世話をするのが介護、医学的ケアを行うのが看護というイメージがありますが、明確な違いを問われると、答えられない方も多いのではないでしょうか。ここでは、介護と看護について、役割と職種の違いをご紹介します。
介護の役割と職種の特徴
介護の役割は、高齢者や障害を持つ人を介助することです。日常生活に支援が必要な方々に対して、身体的なサポート(食事や入浴など)、日常生活の手伝い(掃除や洗濯、食事など)、社会的な支援(レクリエーションなど)を通じて、施設利用者などの生活の質を向上させる役割を担っています。利用者だけでなく、その家族の相談に乗り、アドバイスをするのも役割の一つです。
介護の職種には、介護職員、訪問介護員、介護福祉士、介護支援専門員(ケアマネジャー)、社会福祉士などが代表的で「福祉職」に分類されています。介護の仕事は資格がなくても働けるものもあり、仕事をしながら国家資格を目指せるのが特徴です。
看護の役割と職種の特徴
看護の役割は一言で表すと、病気の治療です。医療チームの一員として、病気や怪我などで健康状態にリスクを抱える患者に対して、医学的なケアや治療を提供するのが役割です。医師の指示のもとで患者の健康状態を総合的に管理し、医療処置を施したり、病状や薬の管理を行ったりします。患者の家族への医学的な側面から情報提供を行うのも看護師の仕事です。
看護の職種として、看護師、准看護師、助産師、保健師があります。准看護師は都道府県知事が認定する資格ですが、それ以外はすべて国家資格で、資格を取得しないと働けません。看護職は、医療的ケアを必要とする方に必要な支援を行う「医療職」です。
介護と看護の相違点
介護と看護について、具体例を挙げながら相違点を見ていきます。
食事について、介護職は食事の準備や食事を取ることを手伝います。訪問介護では食事を準備する際、食べたいものを聞き、栄養バランスを考えて調理。食べやすいように工夫し、必要な場合は嚥下(えんげ)のサポートも行います。
一方、看護職は、食事制限や特殊な食事管理が必要な場合に、栄養士らと協力して適切な食事プランを立案し、必要な栄養が取れるようにします。直接食べさせたりすることはありません。
薬の管理について、介護職は薬の服用支援を行います。毎回必要な薬を用意し、飲み忘れ防止に気を配ります。飲み方や飲む時間を管理するのが仕事です。一方、看護職は、入院患者の薬の管理を担当し、処方せんに基づき、医師に代わって飲むタイミングを判断し、薬の適切な投与や副作用の有無を確認します。注射や点滴などの医療行為も看護師でないとできません。
これらの具体例から分かるように、介護と看護は違いがありますが、いずれも利用者や患者の生活の質を大切にしている点は共通しています。
今回のまとめ
介護は、利用者の生活面や社会的な支援に重点を置き、看護は患者に対する医学的なケアと治療・健康管理に重きを置いている点が主な違いです。介護施設の中では、介護職と看護職が一緒に働くこともあり、チームとして協力し合い、利用者の生活の質向上を目指して協力しながら働いています。違いを理解することでより協力し合える関係が築けることでしょう。