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2023.09.20
介護現場で活用できるPDCAサイクルとは?どんなメリットがある?
PDCAサイクルは業務の効率化を図る管理手法であり、令和3年度の介護報酬改定で介護現場におけるPDCAサイクルの推進が盛り込まれました。介護現場でPDCAサイクルを回すことで、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、PDCAサイクルによって改善できるポイントや成功のコツなどをご紹介します。
介護におけるPDCAサイクルとはケアマネジメントの改善手法
令和3年度の介護報酬改定で介護データベースLIFE(科学的介護情報システム)の運用とPDCAサイクル推進が加算要件として設定され、介護現場でのPDCAサイクルの重要性が増しています。※介護サービスの質の評価と科学的介護の取組の推進
介護におけるPDCAサイクルは、ケアマネジメントの改善手法として期待されています。介護のPDCAサイクルを簡単に見ていきましょう。
利用者ごとの介護計画(Plan)を立て、計画を実行(Do)します。実行する段階で、実際の成果を測定するデータを収集するのがポイントです。次に、利用者の日常生活の様子を観察し、集めたデータを参考に計画がどの程度達成されているか、進んでいるか評価(Check)します。評価結果に基づいて、必要な介護計画の改善(Act)を行うのもポイントです。
PDCAサイクルを何度も繰り返すことで効果を発揮するため、再び介護計画を見直した上で、Plan→ Do→ Check→ Actを繰り返して業務を改善します。
PDCAサイクルのメリットは業務改善や満足度の向上
介護のPDCAサイクルは、利用者の状態やニーズに合った適切なケアを提供するために欠かせない手法です。
PDCAサイクルで業務改善を行うと、介護職一人ひとりの意識が変わり、職場全体のモチベーションが向上するだけでなく、会話が活発になるため、介護スキルも上達します。業務ごとの無駄な動きなどが明らかになることで、労力や時間の節約ができるようになるでしょう。
最近では、PDCAの前にS(Survey:調査)を追加して、サイクルを回す前に利用者の心身状態を詳細に調べた上でケアプランを立てるのが主流です。利用者の状態を正確に把握することで、問題の早期発見と迅速な対応が可能となるためで、科学的な介護を行うためにもデータ収集が必要となっています。
PDCAサイクルの成功には職員の連携が必須
国は科学的介護を推進するために介護データベースLIFEからのフィードバックに基づき、介護施設ごとのPDCAサイクルを推進しています。PDCAサイクルの成功には職員の連携が必須です。
例えば、調査によって得られた情報からリハビリ計画を立てる場合、介護職員やケアマネジャーが協力して行います。リハビリを実施する際も、共通データを基に目標達成の状況を確認し、現状と比較しなければなりません。
介護職員や関係者の連携が十分にできていない状況で、PDCAサイクルを回しても良い結果は得られないでしょう。利用者の状況を報告し、目標達成ができていない場合は計画を変更するなど綿密な話し合いを繰り返すことで連携体制は構築されます。介護サービスを提供する土台を固めるためにも、連携を密にしなければなりません。
今回のまとめ
介護現場でPDACAサイクルを活用すると、業務効率化や利用者の満足度の向上などが期待できます。令和3年度の介護報酬改定でPDCAサイクルの推進が盛り込まれたことで、今後ますます重要になってくるでしょう。PDCAサイクルの成功のカギは、職員の連携が必須条件です。利用者の生活の質の向上に繋がる良い循環を回してみてください。
介護のPDCAサイクルは、実務者研修で学べる!
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